プロジェクト
Webサービス運営企業様
UI/UXリサーチ
- UXリサーチ+戦略設計
ユーザーインタビューによりニーズを発見し、既存サービスの改善をUXコンサルで支援
DESIGN αでは、Webサイト・アプリ制作だけでなく、様々なサービスやプロダクトへのUXコンサルティング支援を専門に行っています。
UXコンサルを行う上での最大の強みが、「リサーチに基づくUX戦略設計」です。
今回はUXコンサルティング支援の一例として、Webサービス運営企業様のUI/UXリサーチの事例をご紹介します。
概要
背景と課題
Webサービスを運営している企業様がユーザーのリピート率を上げるために、メインサービスを拡充する形で新サービスを開始しました。
新サービスの開始から1年が経過しましたが、ユーザー数やリピート率が伸び悩んでいました。
その打開策として、「サービスの根本的な改善を考えており、ユーザーのニーズを客観的に調査したい」というご依頼をいただいたことから、このプロジェクトがスタートしました。
目的
ユーザーのリピート率を上げるために、ユーザーの本質的なニーズを発見すること
主な実施内容
・プロジェクトロードマップ
・定例会
・ユーザーインタビュー
・分析レポート
プロジェクトロードマップ
まずは、目的達成に向けて、プロジェクト全体の進め方について企業様と認識をすり合わせるところから始めました。
UX改善を行う場合、ユーザーインタビューなどのリサーチで抽出した「ニーズの仮説」に対して、素早く検証と改善を繰り返すことで、「ソリューションの価値」を最大化させることが重要です。
それを実現させる合理的な手法であるアジャイル開発型のUX改善プロセスについて、以下の図を基に詳しく説明させていただきました。
課題や目的、進め方のすり合わせができたら、具体的なリサーチ方法の検討や準備に着手することができます。
定例会
本質的なユーザーニーズを捉えたUX改善を行うためには、プロジェクトチームの全員がUXやユーザーへの理解を深め、リサーチや分析結果に応じて、「今、何にリソースを割くべきか」を柔軟に判断する必要があります。
そこで、毎週の定例会を実施し、企業様を含めて、プロジェクトに関わる全員の認識がずれないように、しっかりとディスカッションを深めながら、リサーチを進めていくことになりました。
企業としてのビジネス背景や価値観などを企業様に細かくヒアリングしつつ、UXに対する考え方やフレームワークの説明も随時行うことで、1つのプロジェクトチームとしてスムーズに協業することが可能になりました。
それにより、当初は「既存サービス改善のためのニーズ調査」のみを目指していた方針が、「リピート率向上のためには、既存サービスのピボットや、新サービスの可能性も含めた柔軟且つ客観的なニーズ調査が必要である」という方針にブラッシュアップされ、チーム全員が明確な共通認識を持つことができました。
ユーザーインタビュー
募集
ユーザーインタビューでは、適切なインタビュー対象者を集めることが大切です。
今回は、Webサービスの既存ユーザーと非ユーザーどちらのニーズも調査する必要がありました。
企業様に弊社で設計したアンケート項目やメール文面をお渡しして、既存ユーザーへの募集メールを出していただき、非ユーザーは弊社で直接募集手配を行いました。
対象者のセグメント
応募者の中から対象者の選定を行い、既存ユーザー10名と非ユーザー10名の合計20名にインタビューを実施することになりました。
インタビュー準備
以下の3つを調査の目的として、インタビュー質問項目を設計しました。
A:新規事業の改善
B:新たなニーズの発見
C:既存サービス全体の改善
インタビュー実施
インタビューでは、弊社のUXリサーチャーが司会進行を務めます。
事前に準備した質問だけでなく、ユーザーの回答に合わせてさらに深掘る質問を重ねる「ラダリング法」を活用することで、本質的なニーズを探ることを重視しました。
企業様にも毎回インタビューへの参加をお願いし、ユーザーに質問していただきました。
分析レポート① – ニーズ抽出と優先付け
分析レポートでは、全てのユーザーのインタビュー内容からニーズを抽出して整理します。
インタビュー準備の段階で設定したA〜Cの調査目的に基づき、ニーズの分類分けや優先付けを行いました。優先付けでは、ユーザーニーズと企業様のビジネスゴールとの親和性や、同じニーズを抱えるユーザーがどれくらいいるかといった定量的な視点を重視しました。
さらに、「狩野モデル」を使用し、ニーズを「当たり前品質 / 一元的品質 / 魅力品質」に分類し、顧客満足度とサービス品質の関係を可視化しました。
分析レポート② – 共感マップ&カスタマージャーニーマップ
全20名のユーザーインタビューから抽出したユーザーの特徴や傾向を精査し、ユーザーを4つのセグメントに分けました。
イノベーター理論に基づき、新サービス導入への影響力が高いと推測したセグメントの共感マップとカスタマージャーニーマップを作成することで、ユーザーへの共感や理解を深めました。
分析レポート③ – 仮説設定と今後の方針
抽出・分析した全てのニーズはまだ仮説段階であり、新サービスを検討する上で、さらなる深掘り調査を行うことが重要です。
ニーズの仮説の中から、最も深掘りすべきニーズは何か、企業様とディスカッションを重ねました。
今回のUXリサーチフェーズを経て、今後は選定したニーズの仮説検証として、プロトタイプを作り、テストマーケティングを行っていく方針になりました。