プロジェクト
東邦ガス株式会社様
新規事業のアプリ開発・UX調査
- UXリサーチ+アプリ開発
ふら飲みサブスクサービス「フラノミスタ」のアプリ開発から、
その後の運用やユーザー調査まで、ワンストップで。
DESIGN αを運営する株式会社リオは、調査やUX戦略支援だけでなく、Webサイト制作・システム/アプリ開発から運用サポートまで、ワンストップで可能な会社です。
今回の東邦ガス様とのプロジェクトでは、「フラノミスタ」サービスの立ち上げに向けたLINE連携アプリ開発から携わり、リリース後のシステム保守・運用はもちろんのこと、サービス改善を目的としたUXリサーチ、分析結果に基づく改善提案まで、継続的にサポートしています。
「フラノミスタ」について
サブスク大賞特別賞受賞サービス「フラノミスタ」とは
「フラノミスタ」は、ふら飲みをおトクに楽しめるサブスクリプションサービスで、月額550円で1ドリンク無料クーポンをユーザーに提供しています。ユーザーは加盟飲食店にて660円以下のドリンクを1軒目も2軒目も、何軒でも毎日1杯無料で楽しめます。
都市ガスの重要な供給先でもある飲食店様を応援するかたちでコロナ禍にサービスをスタートしており、飲食店様にはクーポンをきっかけとした新規顧客の集客や来店促進といったメリットも。
2022年の冬には、東邦ガス様の他、東京ガス様、金沢エナジー様、北陸電力様などエネルギー企業4社共同で、節電応援プロジェクト「節電飲食」キャンペーンを実施。
冬の各ご家庭において電力使用量が多くなるのは夕食時の17時以降であることから、電力使用量の増加が予想される日をサービス無料開放日とし、「家庭の電気をOFFにして飲食店へ行き、楽しく節電に取り組もう」と呼びかけるなど、企業・エリアの枠組みを超えた試みも行われました。
2022年末には、1ドリンクサブスクとして『日本サブスクリプションビジネス大賞2022』で「特別賞」を受賞。日本のエネルギー企業が連携した話題性のあるサービスです。
プロジェクトの目的・概要
1. サービス立ち上げ時のアプリ開発
東邦ガス様から、飲食店の応援を目的とした新サービスとしてご加盟の飲食店で「ドリンクが毎日1杯無料になるクーポン」を発行するWebアプリを開発できないかとのご相談をいただき、アプリ開発の検討が始まりました。
2020年にサービスをリリースし、その後の運用保守・サポートも継続的に行っています。
実施内容
- ・LINEをプラットフォームとしたWebアプリの開発
- ・簡単登録&利用促進を目指したLINE連携・認証
- ・多様なケースに対応した決済処理の設計と実装
- ・最適なUIのためのGoogle Maps APIカスタム
- ・Ruby on Railsで管理画面をフルスクラッチ開発
Webアプリ開発について詳細をご覧になりたい方は、株式会社リオの企業サイトに掲載の実績紹介をご覧ください。
2. サービス改善のためのUX調査
リリース後、サービス立ち上げから3年目を迎え、サービスの改善を目的としたユーザー調査を実施しました。
実施内容
- ・Webアンケート調査(定量調査)
- ・ユーザーインタビュー調査(定性調査)
- ・調査結果・分析レポート
- ・UI/UX改善提案
リリース後の課題とUX調査のポイント
サービス立ち上げ時の想定
東邦ガス様が新規事業の立ち上げにあたり想定したターゲットの悩みやニーズは、「はしご酒をお得に楽しみたいがクーポンを探すのは手間」「はしご酒をする時は近場ならどこでもいいから新しいお店に行ってみたい」といったものでした。それに対し「フラノミスタ」では、月額550円のサブスク支払いでフラノミスタ加盟店ならどの飲食店でも使えるお得な1ドリンク無料クーポンと、地図から近場のお店が見つけられるMAPベースの店舗検索というサービスを提供しています。
リリース後の課題
コロナ禍でのサービスリリースでありながらも、加盟店舗と登録ユーザーを順調に増やすことができた一方で、登録ユーザーのサブスク継続率が低く、サービス企画時に描いたリーンキャンバスにおけるターゲット像や提供価値と、実際のユーザーニーズにズレが生じている可能性が見えてきました。そこで、下記のようなポイントを検証してサービスの見直しを図ることを目的に、ユーザー調査を実施することになりました。
検証ポイント
- ・想定したターゲット像に食い違いはないか
- ・継続利用者様の満足度合いは?
- ・ご利用前の期待とご利用後の乖離ポイントは?
UX調査の詳細
調査対象
ユーザーを下記の3テータスに分類し、それぞれのユーザー層に確認すべきアンケート項目・インタビュー項目を設計しました。
- ・会員継続者様
- ・退会者様
- ・ご契約前の方
調査対象者数
- ・アンケート調査:500名
- ・ユーザーインタビュー:27名
調査実施内容
フラノミスタはLINEをプラットフォームとしたサービスのため、LINE登録者様にGoogleフォームのアンケートを配信し、同時にインタビューにご協力いただける方の募集も行いました。
また、ご契約前のセグメントの方については、お酒イベントの会場にてアンケートを実施しています。
インタビュー調査はオンライン(Zoom)にてお一人40分前後のデプスインビューを行いました。「フラノミスタに登録したときはどんな気持ちでしたか?」「実際使ってみてどうでしたか?」など、なるべく自由に発言できるオープン・クエスチョンを心がけ、インタビュー対象者ごとのライフスタイル、性格、趣味嗜好に左右されるサービスの活用方法や満足・不満足に感じるポイント、期待と実状のギャップなどを抽出していきました。
さらなるサービス改善サイクル
調査・分析結果を受け、ユーザーのサービスへの期待値と実状のギャップを埋めるべく、優先度が高くスピーディに対応できるポイントに絞って改善を実施していく運びとなりました。
弊社では「一度作ったら終わり」ではなく、事業者様と伴走し、継続的なお付き合いの中で事業課題やユーザーニーズに寄り添いつづけるサービスを提供していきたいと考えています。そのため、弊社が提供するUX戦略支援サービス『DESIGN α』では、ユーザー体験(UX)を改善するための方法論として、「UX戦略スパイラル」をご提案しています。
「UX戦略スパイラル」とは
「UX戦略スパイラル」とは、調査・分析から始まり、仮説・立案、設計・実行、運用・検証という一連のサイクルを継続的に回し続ける改善手法です。
このスパイラルには大きく分けて二つの専門領域があります。一つは、ユーザー調査や環境の観察結果から課題の抽出やターゲットの選定を行い、分析に基づく根拠のある仮設を立案、目標となる指標を定める上流工程の「UX戦略支援領域」。
もう一つは、その後設計・施策を行なった上で、成果検証を実施する下流工程の「制作/実装領域」です。
通常、この上流工程と下流工程は専門分野が異なるため、別々の企業に依頼しなければならないケースがほとんどで手間がかかりますが、弊社は自社内にUXリサーチやWebサイト制作・システム開発の専門部隊を備えていますので、各分野のプロが連携し、一気通貫でスピーディに改善のスパイラルを回すことが可能です。
今後も組織的な体制による柔軟な対応力で、企業様の課題に向き合い、常に企業様の「新しい価値の創造」をお手伝いしていきます。