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UI/UXリサーチ / 戦略設計

グループインタビューとは?メリットやデプスインタビューとの違いも解説

グループインタビューとは?デプスインタビューとの違いも解説

本記事では、インタビュー調査手法の一つであるグループインタビューについて、実施する目的やその流れ、デプスインタビューとの比較、そして成功のコツまでをご紹介します。

1. グループインタビューとは?

グループインタビューとは、複数の調査対象者を集め、決められたテーマや話題に沿って座談会形式で実施するユーザーインタビュー調査です。

グループインタビューは、フォーカスグループインタビュー(Focus Group Interview)とも呼ばれ、頭文字をとってFGIと略されることもあります。

グループインタビューの目的

グループインタビューは、主に以下のような目的で実施されます。

  • ユーザーの本音やニーズを引き出し、新しい製品・サービスの開発やマーケティング施策に活かすため
  • ユーザーへの理解を深め、既存製品やサービスのユーザー体験を改善するため

グループインタビューは、インタビュアー(モデレーター)1名と4〜8名程度の調査対象者で構成され、決められたテーマや話題に沿って60〜120分程度かけて実施されます。この調査は、調査対象者同士が互いの意見に刺激を受けて議論が活性化されやすく、短時間でさまざまな視点の意見を一度に収集できるというメリットがあります。さらに、議論が深まることで思いがけない新しいアイデアが生まれることもあります。

定性調査としてのグループインタビュー

マーケティング調査には「定量調査」と「定性調査」の2種類があり、グループインタビューは、その中でも定性調査に該当します。

定性調査には、ユーザーインタビューの他に、エスノグラフィー調査(現地行動観察調査)やユーザビリティテストなども含まれます。これらの調査は、調査対象者がその回答や行動に至った経緯や理由、数値で表せない価値観などを深掘りし、潜在的なニーズや課題を引き出します。

定性調査は、調査対象者の発言や無意識の行動・様子などから、さまざまな発見を得たい場合に実施するのがおすすめです。また、新たな改善点を見つけたいときや、市場やユーザーのニーズに適したサービス設計を製品開発段階から行いたい場合にも実施すると良いでしょう。

ユーザーインタビュー調査やエスノグラフィー調査(現地行動観察調査)、ユーザビリティテストについては下記のページでも詳しく紹介しています。

【関連記事】さまざまな定性調査手法を解説

定性調査について基礎知識から具体的な実施方法まで詳しく解説しています。

グループインタビューの実施タイミング

グループインタビューは、主に以下のようなタイミングで実施すると良いでしょう。

  • マーケティング戦略を立案する前の事前調査
  • マーケティング施策の効果を検証するための事後調査
  • 製品・サービスの問題点や課題を抽出するための事前調査
  • 新しい商品や機能をリリースする前の試験調査
  • 製品やサービスの改善効果を検証するための事後調査

複数人から意見をもらうことで、以下のような目的を達成できます。

  • 問題の原因究明や解決に向けた糸口を得る
  • ユーザー属性ごとの課題やニーズを発見する
  • 市場で受け入れられるか検証する

このように、グループインタビューはさまざまなタイミングで実施され、マーケティングや製品開発において重要な役割を果たします。

2. グループインタビューで押さえるべきポイント

グループインタビューのメリット

グループインタビューには、以下のようなメリットがあります。

①多種多様な意見を集められる

グループインタビューでは、複数人に同時にインタビューを実施するため、調査対象者が互いの発言に刺激を受け合い、多様な視点の意見を収集できます。

②比較的時間やコストがかからない

一度に4〜8名程度の調査対象者を集めるため、一人ひとりの調査に時間をかける個別インタビューと比べて、時間やコストを節約できます。

③表情や態度など発言内容以外の情報を得られる

グループインタビュー中に、表情や態度などの発言内容以外の情報を観察することで、調査対象者の本音や感情をより深く理解できます。

④グループごとに比較が可能

調査対象者の属性などでグループを分けて実施することで、グループ間の意見の相違を比較、検証することが可能です。

グループインタビューの注意点

グループインタビューを実施する際は、以下の点に注意する必要があります。

①インタビュアー(モデレーター)のスキルに左右される

グループインタビューの成功は、インタビュアー(司会役となるモデレーター)の技量に大きく依存します。インタビュアー(モデレーター)は経験豊富で、調査対象者から有益な情報を引き出すスキルを持っていることが重要です。

②統計的なデータは得にくい

グループインタビューは小規模で、調査対象者の意見が主観的であるため、統計的なデータを得ることは困難です。そのため、全体の傾向を把握するには、数百名規模のアンケート調査など、定量調査と組み合わせることをおすすめします。

③ニーズの深掘りには向いていない

グループインタビューは多角的な意見や顕在ニーズを集めることが可能ですが、個々の意見を深く探り、潜在ニーズを掘り下げるには不向きです。ニーズを深掘りしたい場合は、次節で解説するデプスインタビューが適しています。

④デリケートな話題には向かない

グループインタビューは複数人で実施するため、病気やお金などのデリケートな話題には向いていません。このようなテーマでは、調査対象者のプライバシーに配慮し安心して話せる環境を整えることが重要になるため、同様にデプスインタビューを検討すると良いでしょう。

⑤発言力のある人の意見に引っ張られやすい

グループインタビューでは、発言力のある人の意見に周りが同調しすぎてしまったり、先に発言した人と異なる意見が言い出しづらいといった状況が起きる可能性があります。特定の人物ばかりが発言しているような場合には、口数の少ない人にもバランス良く話を振ったり、発言順を変えたりといった調整が必要です。

グループインタビューとデプスインタビューの比較

グループインタビューとデプスインタビューの比較

インタビュー調査には、グループインタビューとデプスインタビューという2つの代表的な手法があります。どちらもユーザーインタビュー調査ですが、「対象」「目的」「実施時間」が異なります。

対象の比較

グループインタビューは、4〜8名程度の調査対象者を集め、一度に多くの意見を引き出すことが可能なインタビュー調査です。
一方、デプスインタビューは1対1で実施する個別調査で、調査対象者一人ひとりの意見を深く掘り下げられます。グループで広く意見を集めるか、個別に深く掘り下げるか、目的に応じて使い分けが可能です。

目的の比較

グループインタビューは、製品・サービスに対する評価や意見を複数人から集め、一般的な傾向や共通の課題を把握することを目的に実施します。
デプスインタビューは、ユーザー体験の詳細や潜在ニーズを深く理解するために実施します。個別のインタビューを通じて、ユーザーの内面的な動機や感情に焦点を当てることが可能です。

実施時間の比較

グループインタビューは、調査対象者全員の意見を述べる時間を確保するために、60〜120分程度の時間をかけて実施します。
デプスインタビューは個別のインタビューであるため、40〜60分程度の時間で実施します。

グループインタビューとデプスインタビューは、それぞれ異なる強みを持っています。目的や状況に応じて適切に選択・併用することで、効果的なユーザーインタビュー調査を行うことができます。

3. グループインタビューの流れ

1.グループインタビューの企画立案

グループインタビューの実施に向け、まずは企画を立てます。調査目的や実施方法を整理するなど、以下のポイントを押さえながら調査内容を決定してください。

・実施目的の明確化

「どのような課題に対してインタビューを実施するのか」「何を知りたいのか」といったポイントを整理し、調査の目的を具体的に定めます。目的が途中でぶれないように明文化して、プロジェクトメンバー間で共有することも大切です。

・実施時間の設定

基本的には60〜120分程度を目安にしていますが、特定の問題に絞れば60分以内で成果が得られることもあります。一方で、複雑なテーマや多様な意見を求める場合は、より長い時間が必要になることもあるので、目的と調査対象者の特性を考慮した時間を設定します。

・実施会場の選定

グループインタビューを実施する会場を選びます。調査対象者がリラックスして話しやすい環境を提供することが重要です。
オンラインで実施する場合は、安定した通信環境とビデオ会議ツールの選定が必要です。

・分析方法の決定

グループインタビューで得られた調査結果データをどのように分析するかを事前に決定します。テーマごとの分類や、発言の頻度分析など、目的に応じた方法を選びます。

また、グループインタビューを外部の調査会社に依頼する場合は、以下の手順を踏みます。

・調査目的や課題の相談

調査会社に対して、グループインタビューの目的や解決したい課題を詳細に説明します。調査会社からの提案を受け、調査の具体的な内容や進行方法を決定します。

・見積もり・費用の確定

調査人数、グループインタビュー1回の調査時間、調査対象者の募集方法、レポート内容、録画・録音による調査記録の要否、オンラインかオフラインかといった条件を調査会社とすり合わせた上で費用を確定します。会場の使用料金、調査対象者への謝礼や会場までの交通費など、必要となる実費についても確認してください。

2.調査対象者の選定

次に、グループインタビューの効果を最大化するためには、適切な調査対象者の選定が不可欠です。調査対象者を決める際には、以下の点に留意しながら選定します。

・選定条件の明確化

調査の目的や内容に基づいて、調査対象者の条件を明確にします。特定の年齢層、性別、職業、生活習慣など、ターゲットの特性を具体的に設定します。

・1グループあたりの人数

基本的には4〜8名程度が適切とされていますが、実施内容によって調整が必要です。少人数の場合は深い議論が可能になり、多人数の場合は多くの意見を集めやすくなります。

・実施グループ数

基本的には2〜6グループを目安にしますが、調査の目的や必要なデータの量に応じて調整します。

調査対象者を選定する上で、グループごとに特徴を分けて選出することがポイントです。

例1)「既婚・子あり」「未婚・子なし」などの属性でグループを分ける
例2)「非会員」「会員」「退会者」などのユーザーステータスでグループを分ける

また、多角的な分析を可能にするためには、製品やサービスの既存ターゲット層だけではなく、新たなターゲット候補のグループを選定し、比較するやり方もおすすめです。

例)女性に人気の商品について男性グループにもインタビューする

3.グループインタビューの準備

続いて、グループインタビューを効果的に実施するために「インタビューフロー」の準備に移ります。インタビューフローとは、実際の質問内容や質問順、時間配分やタイムスケジュールなどをまとめた進行表のことです。
インタビューフローは、以下の手順で作成すると良いでしょう。

①質問内容を洗い出す

調査の目的とグループ属性に合わせて、グループごとに適した質問項目を作成します。

②質問の優先順位をつける

質問項目の重要度に応じて優先順位をつけておきます。限られた時間の中でも重要な質問から確実に聴取でき、重要度の高い質問ができない事態を避けられます。

③質問項目ごとの時間配分を考える

各質問やテーマに対して事前に割り当てる時間を設定します。スケジュールを立てておくことで、設定時間内に収められます。

④調査項目をプロジェクトメンバーに共有する

インタビューフローを事前にプロジェクトメンバー全員に共有し、内容に合意を得るようにしましょう。

また、グループインタビューを外部の調査会社に依頼する場合、質問項目の作成が含まれているかどうか確認します。調査項目の作成からインタビューの実施まで全て外部に依頼する場合は、調査実施前に調査項目を確認できるよう、余裕をもってスケジュールを組んでおくと良いでしょう。

4.グループインタビューの実施

用意した質問内容に基づいて、グループインタビューを実施します。グループインタビューはオフラインとオンラインのいずれでも実施できます。

・オフラインでの実施

モニタリングルームが併設された専用のインタビュールームでの実施をおすすめします。調査対象者がリラックスして話せる雰囲気を作り出すためにも、集中しやすい環境を整えることが重要です。また、実際の商品をその場で体験しながら意見交換する場合にもオフラインでの実施が最適です。

・オンラインでの実施

オンラインでのグループインタビューは、Google MeetやZoomなどのビデオ会議ツールを使用して実施します。これにより、場所の制約を受けずに調査対象者を集めることが可能です。

5.分析と結果の共有

最後に、実施したグループインタビューの結果を分析します。録音や録画をテキストに起こし、得られた傾向や特徴を分類するなどして報告書にまとめ、クライアントやプロジェクトメンバーに共有します。

調査対象者の詳細な発言内容に加え、表情や態度なども考慮して総合的に洞察し理解を深めましょう。インタビューの録画記録を視聴する場を設ければ、調査に参加できなかったメンバーにもよりリアルなユーザーの声を共有できます。

プロジェクトメンバーがユーザー視点に立って製品・サービスの開発や改善を進めるためには、ユーザーの置かれている環境や、その環境下で抱いている感情や思考を書き出す分析フレームワーク「共感マップ」の作成がおすすめです。共感マップの詳しい作り方が知りたい方は、下記のページも合わせてご覧ください。

【テンプレート付】「共感マップ」とは?

共感マップの具体的な作り方と使い方を解説していま

4. グループインタビュー成功のコツ

グループインタビューの成功率を高め、有益な情報を効果的に収集するために、以下のポイントを押さえて実施すると良いでしょう。

1.経験豊富なインタビュアー(モデレーター)の選定

前々章で解説した通り、インタビュアー(モデレーター)の技量がグループインタビューの質に大きく影響します。経験豊富な人材を選定するとともに、インタビュアー(モデレーター)は有益な情報を得るために以下のような点を心掛けることが大切です。

・調査対象者の緊張をほぐし、リラックスした状態で回答を引き出す

調査対象者がリラックスして話せるように、アイスブレイク(本題に入る前にお互いが打ち解けるきっかけをつくるための手法で軽い雑談やゲームなどを指す)を取り入れつつ、ラポール形成(信頼関係を築くこと)を行った上でインタビューを開始します。

・議論を適切にコントロールし、必要な情報を収集する

インタビュアー(モデレーター)は議論が脱線しないよう注意しつつ、必要な情報を引き出す質問を投げかけます。

・グループダイナミクスを活用して、深い洞察を得る

個人の思考や行動と集団が相互に影響し合うグループダイナミクスを理解し、効果的に活用することで、より深い洞察を得られます。

2.適切な質問項目を作成する

有益な情報を得るためには、インタビューフローの設計を最適化する必要があります。グループ属性によって質問すべきポイントが異なる場合は、グループごとに質問項目を検討することが大切です。事前にアンケート調査を実施し、その結果を基にインタビューで深掘りする質問を決定する方法もあります。

3.話しやすい雰囲気作り

グループインタビューを実施する際は、調査対象者が自然な状態で回答できることが重要です。特にオフラインで実施する場合、調査対象者は皆初対面な上に普段とは異なる環境に置かれ、緊張しているかもしれません。リラックスできる雰囲気を作るために、お茶菓子や飲み物を用意することも、オフラインのグループインタビューでは通例となっています。
また、インタビューを始める際には、調査対象者の緊張をほぐす目的で、自己紹介や答えやすい質問から始めましょう。調査対象者同士の共通の話題や興味を見つけることで親近感を高め、コミュニケーションを活性化させると良いでしょう。

5. まとめ

グループインタビューとは、複数の調査対象者を集め、決められたテーマや話題に沿って座談会形式で実施する調査手法です。調査対象者同士が相互に刺激し合い活発に議論が行われることで、一度に多角的な意見を収集できる点がグループインタビューの大きな特徴です。

グループインタビューには、「企画立案」から「調査対象者の選定」「準備」「調査実施」「分析」といった一連の流れがあります。また、自社で実施する場合と外部の調査会社に依頼する場合、オンラインとオフラインの違いなどがあります。それぞれの状況に応じて最適な方法を選ぶことが大切です。

インタビュー調査には、グループインタビューの他にデプスインタビューという手法があります。デプスインタビューは1対1で実施する「情報の深掘り」に適した調査であり、グループインタビューとは「対象」「目的」「実施時間」が異なります。どちらも一長一短があるため、必要性や状況に応じて適切な手法を選択しましょう。

リラックスした雰囲気で調査対象者の緊張をほぐし、自由に意見を述べやすい質問をして議論を活性化することが、グループインタビュー成功のコツです。本記事を参考にしながらグループインタビューを実施してみてください。

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