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徹底したUXリサーチから生まれるブレない戦略。 徹底したUXリサーチから生まれるブレない戦略。

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UI/UXリサーチ / 戦略設計

プロダクトマーケットフィット(PMF)とは?プロブレムソリューションフィット(PSF)との違いや定義・方法を解説

プロダクトマーケットフィット(PMF)とは?

「プロダクトマーケットフィット(PMF)」とは、提供する製品やサービスがマーケットのニーズに合っている状態を意味します。
この記事では、PMFを達成する方法を、PMFと密接に関係する「プロブレムソリューションフィット(PSF)」の解説と共に具体的にお伝えします。

1.プロダクトマーケットフィット(PMF)とは?

プロダクトマーケットフィット(PMF)とは?

PMFの定義

「プロダクトマーケットフィット(PMF)」とは、製品やサービスが市場のニーズに合致し、受け入れられている状態を指す言葉です。

“Product Market Fit”の頭文字を取り、PMFと表記されます。
プロダクト(製品)、マーケット(市場)、フィット(適合)の3つの単語から成り、「製品が市場に適合」している状態を意味します。

元々、アメリカのソフトフェア開発や投資家としてよく知られているマーク・アンドリーセン氏が提唱した言葉で、現在ではビジネスを評価する際のキーワードとして定着しています。

PMFの達成とは、ユーザーのニーズに応える製品やサービスを提供することができている状態で、ビジネスにおいて理想の姿と言えます。

PMFが重要視される背景

PMFが近年重要視されている背景として、消費者のニーズや価値観が変化していることが挙げられます。
昔は大量生産・大量消費の時代で、製品の種類が限られていましたが、現在は個人の価値観やライフスタイルがより多様になってきています。

このような時代背景から、万人受けする製品やサービスを生み出すのが難しくなってきています。
そのためターゲットやセグメントによって異なるニーズを把握したり、ユーザーが本当に必要としている製品・サービスを提供したりすることが必要となってきました。
そこで、プロダクトが市場に対して提供する価値を評価するための概念として、PMFが重要視されるようになったのです。

また、PMFは一度達成したらそれで終了ではなく、繰り返し分析を行い指標を達成していく必要があります。
常に「PMFを満たしているかどうか」を意識して改善点をブラッシュアップし続けていれば、ユーザーニーズの変化による市場とのミスマッチが起こった際にもスピーディに対応できます。

変化が激しく、知らず知らずのうちに自社製品のニーズが失われてしまうこともある現代において、PMFを意識して市場の変化に取り残されないことが、ビジネスの成功には必要です。

2.プロダクトマーケットフィット(PMF)の実現に必要な流れ

プロダクトマーケットフィット(PMF)の実現に必要な流れ

PMFの達成の仕方や実現までのプロセスを大きく3つのステップに分けて解説します。

1. プロブレムソリューションフィット(PSF)を先に検証

PMFを実現するためには、先にプロダクトが「プロブレムソリューションフィット(PSF)」であるかを検証します。PSFとは「ユーザーの抱える課題を適切に把握し、その課題に対する最適な解決策を導き出していること」をいいます。

ユーザーのニーズに沿った商品を開発するためには、課題を発見し具体的な解決策を提示する必要があるということです。
競合他社の製品やサービスを徹底的に分析してデータを収集することや、市場調査やインタビュー調査をして生の声を拾​​い検証することも有効です。

PSFについてはこの後の節章でも詳しく掘り下げます。

2. MVP(Minimum Viable Product)でスモールにニーズをテスト

PSFを検証したら、その解決策を製品やサービスに落とし込んでいきます。製品は作り込み過ぎず、まずはMVPを短期間で開発して公開します。

MVP(Minimum Viable Product)とは、課題を解決するために必要最小限の機能で作られたプロダクトのことを指します。
MVPを使ってもらいユーザーのフィードバックを得ることで、短時間で課題の仮説を立てたり検証をしたりすることができます。

多くの時間や費用を費やさずにスモールスタートで検証できる点が、MVPで検証をするメリットです。

3. リサーチとPDCAサイクルの継続的な運用

PMFを達成するためにはニーズ調査とPDCAサイクルを回すことが重要です。

MVPリリース後は、本当に市場のニーズに合っているのかを繰り返し確認します。
最初の段階からニーズに沿った商品開発をすることは難しいからこそ、効果測定を行いしながら改善を繰り返す必要があるのです。

・MVPに搭載した機能はユーザーの課題を解決できているか
・更にニーズに沿った商品を提供するために改良できる部分はないか
・MVPに搭載した機能の中で実は無駄なだった機能はないか
・MVPに搭載していない機能の中に実は必要だった機能はないか

上記に挙げた視点を取り入れながらMVPを評価し、改善策を打ち出してMVPに落とし込みます。

このようにしてPDCAサイクルと市場ニーズへのリサーチを繰り返しながら商品を改善し、PMFの達成を目指して商品を完成させていきます。

3.プロブレムソリューションフィット(PSF)とは?

「PSF」はPMFの前段階に位置しており、PMFの達成に不可欠な指標です。

PSFの定義

「プロブレムソリューションフィット(PSF)」は、前述の通り「ユーザーの課題を適切に把握し、その課題に対する最適な解決策を導き出していること」です。PSFを理解することは、後段階に当たるPMFの理解にもつながります。

Problem Solution FitはProblem(問題)・Solution(解決策)・Fit(適合)の3つの単語から成り、問題の解決策を提供することがPSFの定義です。

PSFを達成した後で、事業として展開できるかどうかを考えるために、PMFに移行する流れになります。

PSFの主な流れ

PSFの達成に向けてするべき3点を流れに沿ってご紹介します。

①解決するべき問題や課題の発見

まず、ニーズがあるもしくは解決するべき問題や課題を発見します。
自分や企業内で問題だと思い込んでいるだけではなく、具体的な解決策の提示を求める人がいるかどうかが重要です。
自分たちはその問題は解決すべきだと考えていたとしても、ユーザーは同じように考えていない場合もあります。

自分たちの頭の中の解決策だけに固執にするのではなく、アンケート調査なども実施して今の市場の状況やユーザーの生の声を取り入れましょう。

②解決策の検証

問題や課題を発見した後は、解決策を立案します。
ニーズの把握や課題が発見できたら、解決策を打ち出すことよってユーザーのニーズに応えられるかどうかを検証します。問題や課題を本当に解決できるか、ユーザーが納得する解決策であるかを意識して検証しましょう。

また、better(あったら良い)ではなく、must(必要である)な解決策を発見することが理想状態と言えます。
こちらもアンケート調査やヒアリングを通しての検証が有効です。
また、自分たちの今までのスキルや経験で実現できるかどうか判断する必要があります。

③購買意欲を検証

商品化へと展開していくにあたって、ユーザーが実際に購買行動を起こす基準を知る必要があります。

そこで商品の魅力を感じる箇所と喜んで支払える金額を探るために、アンケート調査やヒアリングを実施して事業に反映させましょう。
費用をかけてでもその商品を購入したいかどうかが検証のポイントです。

4.プロダクトマーケットフィット(PMF)の代表的な検証方法

プロダクトマーケットフィット(PMF)の代表的な検証方法

すでに世に出ている製品やサービスをよりよいものにしていくためには、PMFの指標を達成しているかどうかの検証を重ねることが重要です。
ここでは検証でよく用いられる4つの方法について解説していきます。
検証は様々な方法を試した上で、多角的に分析することが大切です。

Product/Market Fit Surveyからニーズを引き出す

Product/Market Fit Surveyとは、PMFを定量的に把握するための単純なアンケート調査です。

「この商品が使えなくなったらどう思いますか?」という質問に対して、以下4つの選択肢を設けユーザーから回答を得ます。

・とても残念に思う
・少し残念に思う
・残念ではない
・もう商品を使用していない

調査対象となるユーザーの40%から「とても残念に思う」と回答があった場合、ユーザーにとってその商品は欠かせないものだと判断でき、PMFの指標を達成している可能性があると評価できます。

この時に重要なポイントなのが「少し残念に思う」「残念ではない」の回答をしたユーザーに関心を寄せることです。
これらの回答者は、商品を利用して多少問題は解決されたものの、十分な満足感を得られたとは言えない状態です。
このようなユーザーのニーズにも沿えるように分析した上で、満足度の高いユーザーを維持することを意識して対策しましょう。

NPSによる定量化

NPS(Net Promoter Score)とは、顧客が製品やサービスに対して抱く愛着や信頼(=顧客ロイヤルティ)を測定するための指標です。

NPSは「今後も商品を利用したいと思いますか?」「家族や友人に商品をおすすめしたいと思いますか?」といった具体的な消費者行動を質問形式にして得た回答を定量化したものです。
製品やサービスに対する顧客の反応が把握しやすくなるので、事業の収益性や成長性に関連した指標としても見ることができます。

具体的には、「友人や同僚に商品をおすすめしたい程度はどのくらいですか?」という質問をして、0〜10の11段階に分けた評価の中から回答してもらいます。

そして、下記の図のようにスコアに応じて分類します。

・0点~6点:批判者
・7点、8点:中立者
・9点、10点:推奨者

批判者・中立者・推奨者に分類し割合を事前に計算した上で、下記の簡単な数式を用いてNPSの指数を算出します。

推奨者の割合(%)-批判者の割合(%)=NPS

NPSの指数が高ければ、自社の商品は市場で高く評価されていると判断できます。またサンプル数に比例してスコアの検証精度が高くなります。
正確性の高いデータを得るには、サンプル数を最低400は用意できると良いでしょう。

NPS調査

リテンションカーブによる分析

リテンションには「維持」や「保持」といった意味があり、リテンション率は「継続率」や「顧客維持率」とも言われます。
リテンション率は、サービスの価値を示す重要な指標であり、他のどの指標よりも分かりやすくて必要不可欠だと考えられています。

リテンションカーブ

リテンションカーブとは、縦軸をリテンション率、横軸をリリースからの期間として時系列で設定したグラフのことです。
リテンションカーブがカーブの終わり頃から横ばいを保持している場合、PMFの指標を達成していると扱われます。

最終的にリテンションカーブの数値が0まで到達してしまった際には、PMFの指標は未達成として扱われます。

PMFを達成するためには、リテンション率の割合までグラフが平坦な状態になるようにしましょう。この割合が高いと、PMFの達成率が高いと言えます。

リテンション率は定期的な分析を続けることが大切です。
PMFの達成度合いを測るだけでなく、市場変化を敏感に察知しながら検証を続けましょう。

インタビュー調査でユーザーの生の声を聞く

インタビュー調査は、UXリサーチの代表的な手法の一つで、商品を利用しているユーザーに対面またはオンラインにてインタビュー形式で質問をし回答を得る調査方法です。ユーザーの生の声を聞き、それを取り入れることで商品や施策を改善します。

インタビュー調査は定性調査で、アンケート調査などの定量調査と違い、ユーザーの潜在的なニーズや課題を深掘りすることが可能です。例えば商品を利用しようと思ったきっかけや利用してみての感想などをヒアリングすることで、行動の理由や消費者心理などの情報を得られます。

また、インタビュー調査にはデプスインタビューとグループインタビューがあります。

デプスインタビューは1対1の形式で行うインタビューで、1人に対してじっくりと深掘りしながら行うので、潜在的なニーズや問題点を引き出しやすいメリットがあります。

グループインタビュー(FGI:Focus Group Interview)は、複数の人が集まって少人数で行うインタビューです。一般的にペルソナの属性が同じ人を同じグループにすることが多い傾向にあります。また複数人で会話することで意見を集めやすいというメリットがあります。

インタビュー調査について詳しく知りたい方は、下記の記事で詳しく紹介していますのでぜひご参照ください。

【事例付き】ユーザーインタビュー調査とは?

ユーザーインタビュー調査の具体的な方法を実例付きで解説しています。

5.プロダクトマーケットフィット(PMF)実現でUX改善につなげる

提供している製品やサービスが、マーケットのニーズに合致している状態のことを指す、PMFについて解説しました。

PMFを達成するには、絶えず市場調査を行い、市場動向や顧客のニーズ把握に努めることが必要です。

本業のビジネスをしつつ市場をリサーチすることは容易ではありません。
専門の調査会社などを活用するのも良いでしょう。

UX戦略においても市場のリサーチが重要となります。
「DESIGN α(デザインアルファ)」では、UXリサーチから「ユーザーニーズ」や「企業の課題」を発見することで、ユーザーの悩みを解決し、ビジネスゴールを達成するための戦略立案支援を行います。

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