UXブログ

BLOG

徹底したUXリサーチから生まれるブレない戦略。 徹底したUXリサーチから生まれるブレない戦略。

東京・名古屋でUXを探究する DESIGN α は、
UXリサーチ / 分析のプロフェッショナル。
調査データに基づく戦略設計から
Webサイト制作・アプリ開発、運用まで伴走し、
事業を着実に成功へ導きます。

ALPHA - OMEGA

Design from the beginning to the
end of the project.

  • UX Research
  • Web/App Design
  • Strategy

Design from the beginning to the
end of the project.

  • UX Research
  • Web/App Design
  • Strategy

ALPHA - OMEGA

Scroll

UI/UXリサーチ / 戦略設計

「定性データ vs 定量データ」ユーザーインサイトを得るための相互補完的アプローチとは?

「定性データ vs 定量データ」ユーザーインサイトを得るための相互補完的アプローチとは?

データ分析において、定性データと定量データはどちらも重要な役割を担います。両者を適切に活用することで、より具体的で深いインサイトを得ることが可能になります。
本記事では、定性データと定量データの基礎知識から収集方法、それぞれの比較や相互補完的アプローチ、ユーザーインサイト獲得のステップまでをご紹介します。

1.定性データとは?

定性データとは、ユーザーの行動や意見、考え方や経験などの数値で表せない情報で、観察記録やユーザーインタビュー調査などの手法によって得られます。

定性データの特徴

定性データには以下のような特徴が見られます。

非数値的

定性データは数値ではなく文章で表されるのが一般的で、どちらかといえば主観的な性質を持っています。一般的に、定性データはアンケートなどの大規模な調査ではなく、限られた人数を対象にしたインタビュー調査や行動観察調査などから得られる情報です。

非構造化データ

定性データは、自由形式で収集され、参加者の発言や意見がそのまま反映される非構造化データです。形式的な数値や決められた選択肢に縛られず、自然な形で得られる情報から深い洞察を導き出すことが可能です。

分析や深掘りに適している

定性データは、ユーザーの行動や製品選択の背景にある理由を理解するのに適しているのも特徴の一つです。単純な数値で表されるデータでは捉えきれない、ユーザーの感情や価値観、意図などを掘り下げることができるため、インサイトに迫る分析に欠かせません。

定性データの収集方法

定性データの収集には、主にユーザーインタビュー調査、エスノグラフィー調査(現地行動観察調査)、ユーザビリティテストなどの手法が用いられます。

ユーザーインタビュー調査

ユーザーインタビュー調査とは、製品やサービスに対してユーザーの生の声を直接ヒアリングする定性調査の手法です。ユーザーの感情や考え方、行動の背後にある理由を掘り下げるために有用な方法であり、デプスインタビューとグループインタビューに分けられます。

デプスインタビュー
デプスインタビューは、ユーザーとインタビュアーが1対1で行うインタビュー調査です。ユーザーの深層心理や本音を探り、潜在的なニーズや課題分析に役立てることができます。

グループインタビュー
グループインタビューは、複数名のユーザーを集めて行うインタビュー調査で、FGI(Focus Group Interview:フォーカスグループインタビュー)とも呼ばれています。参加者の相互作用により、多種多様な意見やアイデアを収集することができ、製品やサービスの方向性を議論する場合などに有効です。

エスノグラフィー調査(現地行動観察調査)

エスノグラフィー調査(現地行動観察調査)とは、調査対象者のサービス利用場面を訪れ、その環境や行動を観察する定性調査の手法です。本人が自覚しない無意識の行動パターンまで含めて直接観察することで、インタビューでは捉えにくい行動要因やニーズなどを明らかにするのに適しています。

ユーザビリティテスト

ユーザビリティテストとは、対象ユーザーに実際のUI(ユーザーインターフェース)やプロトタイプ(試作品)を使用してもらい、操作性の問題発見や評価を行う定性調査の手法です。対象ユーザーの行動や思考を詳細に観察したり、ヒアリングしたりすることで、具体的な課題や改善点を特定します。

さまざまな定性調査についてもっと詳しく知りたい方は、下記のページも合わせてご覧ください。

2. 定量データとは?

定量データとは、主に数値によって測定や分析できる情報のことです。単純な数値に限らず、性別や家族構成など、客観的かつ類型化できる類の情報も定量データに分類されます。

定量データの特徴

定量データには以下のような特徴が見られます。

客観性が高い

定量データの大きな特徴は、標準化された形式で収集されるため、データを見る人の主観に左右されにくく、分析が偏りづらい点です。例えば、「製品を使用してみた感想を教えてください」ではなく「製品の満足度を1〜5の5段階で評価してください」とし、多数のデータを収集することで、満足度という抽象的な概念を数値として扱うことができます。

構造化された形式

多くの場合、定量データは行と列からなる表形式で表されることが一般的で事前に定義された構造(性別、住所、日付、商品名、売上数など)を持つ構造化データとして整理されることが一般的です。
ただし、すべての定量データが構造化データとは限りません。例えば、センサーデータやログデータのように、半構造化や非構造化の形で記録される場合もあります。

比較や目標設定が容易

定量データは比較しやすく、目標設定にも用いやすいため、日常業務の管理や経営上の意思決定に頻繁に利用されます。例えば、「目標売上前年比10%アップ」のような目標を設定するケースはよくありますが、これも「売上高」という定量データがあることが前提となります。

定量データの収集方法

マーケティング分野における定量データの収集には、Webアンケート調査(選択回答形式)やGoogleアナリティクスなどを用いたWeb解析などの手法がよく見られます。

アンケート調査(選択回答形式)

アンケート調査とは、調査対象者の意見や行動を把握して、データを収集する手法です。アンケート調査の回答形式には、決められた選択肢から回答を選ぶ「選択回答形式」とフリーワードで回答を記述する「自由回答形式」の2種類がありますが、このうち選択回答形式が定量データを収集する調査に当たります。

また、オンラインで実施するWebアンケート調査は大量のデータを簡単に収集できるため、定量データの収集に適しています。

Webアンケート調査について詳しく知りたい方は、下記のページも合わせてご覧ください。

Webアンケート調査とは?

Webアンケート調査の種類から失敗しないコツまで解説しています。

Web解析

Web解析ツールによって収集するログデータも定量データです。中でも「Googleアナリティクス(GA4)」は、無料でWebサイトの定量データを収集できるツールとして一般的によく使われています。

また、GA4で収集したデータを用いることで、以下のような分析が可能です。

ユーザー行動の分析
流入経路、PVとセッション数など

コンバージョン率の分析
ユーザーの成果の追跡、ファネル分析など

オーディエンスの分析
ユーザーの属性、新規やリピーターの比較など

トラフィックソースの分析
異なるチャネルの比較、参照ドメインなど

サイトパフォーマンスの分析
ページ速度、エラーページの分析など

UXの分析
サイト内の回遊経路、エンゲージメント時間、アクティブユーザー割合など

これらを分析することで、Webサイトにおける具体的な施策を講じ、ユーザー体験の向上につなげることができます。

参考:

アクセス解析ツールの「Googleアナリティクス」を使ってみたい方はこちら

また、DESIGN αではGoogleアナリティクスに加えて、GoogleサーチコンソールやGoogleタグマネージャーについても活用方法を解説しています。詳しく知りたい方は、下記のページも合わせてご覧ください。

Googleアナリティクスとは?

Googleが提供する3種類のアクセス解析ツールについて解説しています。

3. 定性データのメリット・デメリット

定性データのメリット

定性データには、以下のようなメリットが挙げられます。

メリット①:深い洞察の獲得

前々章で記述した通り、定性データは、調査対象者の発言や行動など数値では表せない情報を記録し、その背景や理由を深く理解するために用いられます。調査で得られた情報を分析することで、パターンやテーマが抽出でき、調査対象者の行動の背景にある価値観や意味を掘り下げ、深い洞察を得やすいのが特徴です。

メリット②:新たなアイデアの創出

定性データは、予想していなかった新たなアイデアを創出する手段としても有用です。調査対象者の発言や行動から、新たなニーズやそれまで認識できていなかった強み・弱みなどを見つけ出すヒントになることがあります。

メリット③:潜在的なニーズの発見

定性データを分析することで、調査対象者が本人も気づいていない潜在的なニーズを見出すことができます。これにより、顧客がまだ自覚していない課題に対し、新たな解決策や提供価値を見つけることが可能になります。

定性データのデメリット

一方、定性データには、以下のようなデメリットが挙げられます。

デメリット①:収集したデータが偏っている可能性がある
定性データは、少数の対象者や特定の状況から深い洞察を得ることを目的とするため、データが偏る可能性があります。
例えば、グループインタビューでは、調査対象者が特定の属性(年齢層、性別、職業など)に偏っている場合、そのデータが必ずしも全体を代表するとは限らないことに注意が必要です。また、調査者の質問が誘導的になってしまったり、他の調査対象者に影響を受けたりすることで、実際の意見や感情を正確に反映できない可能性があります。

デメリット②:時間とコストがかかる
定性データの収集には、ユーザーインタビュー調査やエスノグラフィー調査(現地行動観察調査)などの手法を用いることが多いため、単純なアンケート調査と比べて実施に時間とコストがかかる傾向があります。
データ収集に加えて、インタビューの記録・文字起こし、メモの整理、フィールドノートの編集などの作業が必要となり、データの整理や分析、保管や共有などにも手間がかかります。

デメリット③:評価や分析の難しさ
定性データは、定量データのように標準化された型の情報ではないため、データの解釈は人によって異なりやすい傾向にあります。評価者の主観や経験が評価・分析に影響を与える可能性が高く、客観性や一貫性の確保が難しくなります。

4. 定量データのメリット・デメリット

続いて、定量データについてのメリットやデメリットを解説していきます。

定量データのメリット

定量データには、以下のようなメリットが挙げられます。

メリット①:客観的な評価・分析が可能

定量データは、標準化したフォーマットで表されるため、主観的な感覚や解釈に頼らず、客観的な評価と分析が可能です。例えば、PV(ページビュー)数やCV(コンバージョン)率といった、誰が見ても一定の評価を下せる具体的なデータに基づいて分析することができます。

メリット②:比較が容易

異なるデータセットやグループ間のデータを比較しやすいことも、定量データのメリットの一つです。
例えば、A/Bテストで異なるデザインのランディングページのクリック率を数値で比較することで、どちらがより効果的かを明確に判断できます。

メリット③:統計的な分析が可能

定量データは、統計的な分析に適しています。数値データを特定の基準に基づいて整理することで、傾向やパターンを把握しやすくなります。

定量データのデメリット

一方、定量データには、以下のようなデメリットが挙げられます。

デメリット①:結果主義に陥りやすい

定量データは、数値化された情報を軸に判断されるため、数値化できない「目標達成までのプロセス」が評価されません。このため、数値目標が結果主義へと変化してしまう可能性があります。例えば、短期的なCV(コンバージョン)数だけを重視した結果、そこに至るまでのユーザー体験が軽視され、長期的な満足度の低下を招くなどのリスクが考えられます。

デメリット②:データ分析のスキルが必要

定量データを分析するためには、以下のような数値的な対応スキルが必要になります。

  • 統計学・データ分析の知識
  • データ集計・整理・可視化の技術
  • データ処理や計算のためのプログラミングスキル
  • データベースの知識 など

これらのスキルをもつ適切な人材を人選したり、育成したりする必要があります。

デメリット③:多くのサンプル数が必要
信頼性のある結果を得るには、十分なサンプル数が不可欠です。母集団の大きさ(調査対象の全体数)にもよりますが、一般的には、最低でも400サンプルが必要とされています。このサンプル数は、統計的に有意な結果を導き出すために必要なものであり、標本誤差を5%未満に抑えるための基準とされています。しかし、多くのサンプルを収集するには、時間やリソースの確保が必要になるため、計画的に進めることが重要です。

最低サンプル数の目安(95%信頼水準)
母集団の例:日本のスマホユーザーは1億人以上

定性データと定量データの全体の振り返りとまとめ

定性データと定量データの全体の振り返りとまとめ

ここまで、定性データと定量データについて解説してきました。本節では、3章までをまとめながら、両データ形式の違いについて「目的」「特徴」「分析自由度」「データの形態」の観点から比較していきます。

目的

定性データは、主に現象の背景や理由について深く理解することを主な目的として使用されます。数値では捉えきれない複雑な状況や、人々の感情、価値観を明らかにし、ユーザーの解像度を高めることが主な目的です。
一方、定量データは、具体的な数値から傾向やパターンを割り出し、分析に用いることに適しています。

特徴

定性データは詳細な記述によって表現されるデータです。言葉や行動についての情報が中心となるため、定型的・数値的な情報からは得られない側面についての洞察に役立てられますが、評価者によって解釈にブレが生じる可能性があります。
一方、定量データは、数値的に測定できるデータのことで、人による解釈の違いが生まれづらく、客観的に情報を捉えられます。

分析自由度

定性データの収集には、ユーザーインタビュー調査やエスノグラフィー調査(現地行動観察調査)などを通じて行われ、自由度が高い方法で実施されます。
一方、定量データは、主にアンケート調査やWeb解析などの方法を用いた構造化された方法で収集されることが一般的です。

データの形態

上で述べたようなデータの特性の違いから、データをアウトプットする形態にも違いがあります。
まず、定性データは例えば行動やインタビューの記録、感想やフィードバックなど、複雑な情報を出力する必要があるため、以下のような形式で表されます。

  • テキスト
  • 画像
  • 映像
  • 音声

定量データは、アクセス数や達成率、あるいは業種や性別など、数値や標準化された形式で出力できるため、以下のような形式で表されます。

  • 数値
  • 統一された記号形式

定性データと定量データの相互補完的アプローチ

定性データと定量データは、相互補完関係にあり、それぞれできることが異なります。どちらが優れているというわけではなく、状況に応じて適切に活用することが重要です。

包括的かつ深い理解の獲得

定量データは広範囲な傾向やパターンを示す一方で、定性データはその背景にある理由や文脈を明らかにしやすいという特徴があります。
定量データの情報の汎用性と定性データの情報の深さとを組み合わせることで、調査対象者の全体的な特徴を捉えながら、背後にある意図や感情を深く理解することが可能です。

例えば、商品A、BのうちAの方が利用客が多いというデータがあった場合(定量データ)、数値だけを見ればAの方が人気商品ということになります。しかし、それぞれの利用客にインタビューを行ったところ、Aの利用客よりもBの利用客の方が強いこだわりでBを利用していることがわかった(定性データ)とすると、競合商品Cが現れたときに顧客が流れるのはAだ、という分析ができるかもしれません。

信頼性と妥当性の向上

定性データに対して生じた疑問を定量データで検証したり、反対に、​​定量データで得られた結果を定性データで裏付けることで、結果の信頼性と妥当性が向上します。例えば、顧客満足度調査では、以下のようにデータの検証や裏付けを行います。

定量データ
例えば、1から10のスケールで評価する選択回答形式のアンケート調査を行います。このデータにより、全体的な傾向や満足度の平均を客観的に把握します。

定性データ
その後、インタビュー調査や自由回答形式のアンケート調査を通じて、スコアをつけた理由や特に良かった点(または悪かった点)などの具体的なフィードバックを収集します。これにより、定量調査で得られた数値の背後にある具体的な内容や、顧客の価値観やニーズを深く理解します。

このように、それぞれのデータの特性を活かし、相互補完的に活用することで、調査の結果全体をより正確に解釈し、効果的な意思決定につながります。

5. ユーザーインサイト獲得のステップ

ユーザーのインサイトを掴むために必要な情報のカテゴリとして、定性データと定量データそれぞれのデータの特徴を見てきました。
最後に、実際に2種類のデータをどうインサイト把握に役立てるのか、そのフローの一例についてご紹介します。
今回は、あるオンラインショップでの商品購入や問い合わせといったコンバージョンを獲得するための分析を例として取り上げます。

Step1:定量データによる全体像の把握

Web解析ツールを活用し、ユーザー行動の全体像を把握します。特に、1章で解説した「Googleアナリティクス」はWeb解析によく使われているツールです。このツールでは、ユーザーの滞在時間、ページ遷移、リピート率など、アクセスやコンバージョンの状況を把握するためのデータを収集します。

例えば、オンラインショップでは、ユーザーの商品詳細ページの閲覧時間や、購入までの経路を把握し、どのページがその起点となっているのかを分析します。また、特定のキャンペーン後にリピート購入者がどれだけ増えたかを確認することで、そのキャンペーンの効果を測ります。

このようにして収集された定量データを基にユーザーの行動パターンを詳細に理解することで、最も効果的な施策を特定することができ、全体像を把握するための重要な基礎となります。

Step2:定性データによる深掘り

自由回答形式のアンケート調査やユーザーインタビュー調査、ユーザビリティテストなどを実施し、ユーザーの生の声を収集します。

例えば、オンラインショップでは、購買プロセスに関するユーザーの不満を感じるポイントを把握するために、購入者に対するインタビュー調査を実施します。ここでは、「購入時に困った点は何でしたか?」や「サイトを訪問した際に期待していたことは何ですか?」といった自由回答形式の質問を投げかけます。
誘導を避け、ユーザーが自らの経験や感情を自由に表現できるよう、慎重に質問内容を作成します。

また、ユーザビリティテストでは、ユーザーが特定のタスクをこなす様子を観察し、そこでの行動や発言から、ユーザーがどのように感じ、何に困っているのかを深く理解します。
引き続きオンラインショップを例にとると、「商品検索機能を使って探してみてください」というタスクを設定し、ユーザーがどのように操作し、どんな感想を抱くのかを注意深く分析します。このような定性データを通して、ユーザーのインサイト(購買行動の根拠や動機)や深層心理をより深く理解し、サービスの改善に活かします。

Step3:両データの統合と分析

定性データと定量データを統合し、ユーザー行動全体を分析します。

オンラインショップの例では、ユーザーのサイト訪問頻度(定量データ)と、インタビュー調査で得られた「サイトを利用するにあたってのフロー」や「サイトの使いやすさに関する意見」(定性データ)を組み合わせてカスタマージャーニーマップを作成します。

カスタマージャーニーマップを作成することで、ユーザーとサービスとのタッチポイントにおけるる行動と感情を可視化し、課題を明確にできます。さらに、共感マップを用いて、ユーザーの考えていることや感じていること、見えているもの、聞いていることなどを可視化するのも、ユーザー視点での理解を深める上では有効です。

インタビュー調査で述べられた意見を基にし、滞在時間の短いユーザーが抱える共通の問題点を特定します。例えば、「オンラインショップの問い合わせのナビゲーションが分かりにくい」といった定性的なフィードバックがあった場合、訪問頻度の低さに影響していると仮説を立てて、ナビゲーションを改善することで検証します。

このように、相互補完的にデータを活用し、カスタマージャーニーマップや共感マップなどに落とし込んで分析することで、ユーザーの行動背景や感情を含めた全体像を把握できます。結果として、ビジネス戦略やサービス改善の具体的な方向性を導き出すことが可能となります。

カスタマージャーニーマップや共感マップについて詳しく知りたい方は、下記のページも合わせてご覧ください。

【無料テンプレート付】カスタマージャーニーマップや共感マップの作り方

マーケティングに活かせるカスタマージャーニーマップや共感マップの具体的な作り方を解説しています。
また、DESIGN αではカスタマージャーニーマップや共感マップ作成のテンプレート資料を用意しています。ぜひダウンロードして課題抽出や改善アイデア出しにご利用ください。

Step4:インサイトの抽出と活用

統合された定性データと定量データをもとに、ユーザーのインサイトを効果的に導き出すプロセスです。

オンラインショップにおいて、「カートへの追加率は高いが、購入完了率が低い」という定性調査結果が出たとします。これを受けてユーザーにインタビューを行った結果、「配送オプションが多すぎて選ぶのが面倒になった」という回答を得られたら、「詳細に選択するよりも、シンプルな選択肢からサクッと選びたい」というインサイトが抽出できます。

このインサイトを基に、開発チームは購入までのプロセスを改善し、ユーザーがよりスムーズに購入を完了できるようにします。さらに、マーケティングチームは、このインサイトを活用して、他にもシンプルにしてユーザー負担を減らせるポイントはないか?と考えることができます。

このように、抽出したインサイトは、新製品の開発やサービス、UXの改善など、あらゆる局面でのマーケティング活動にも活用することが可能です。

6. まとめ

データ分析において、定性データと定量データはそれぞれ異なる強みを持っていて、状況に応じて使い分けることが重要です。どういう場面でどちらを活用すべきか迷ったことがある方も多いのではないでしょうか?

定性データは、質的な情報を掘り下げることでユーザーの心理や行動の理由を明らかにして、詳細な記述や観察によって得られる情報です。収集方法には、ユーザーインタビュー調査、エスノグラフィー調査(現地行動観察調査)、ユーザビリティテストなどがあります。

定量データは、主に数値によって出力・分析できる情報で、客観的に結果を評価したり、結果を比較したりするのに非常に便利です。収集方法には、アンケート調査の選択回答形式、Webログ解析などがあります。

定性データと定量データは、どちらか一方のみを用いるのではなく、相互に補完し合いながら活用できます。定性データに生じた疑問を定量データで検証したり、​​定量データで得られた結果を定性データで裏付けることで、結果の信頼性が向上します。状況に応じて使い分けたり、双方をうまく組み合わせて活用することが大切です。

定性データや定量データを活用し、ユーザーインサイトを得るための第一歩として、本記事を参考にデータ収集を行ってみてください。

UX調査をご検討中の方へ

「ユーザーの声や潜在ニーズが知りたい」「自社には調査部門がないから専門家に相談したい」「何社か調査会社を比較検討したい」というお客様のために、無料相談会やサービス案内資料をご用意しました。

調査に関する個別オンライン相談をご希望の方や、サービスラインナップや費用感が分かる資料のダウンロードをご希望の方は、こちらよりお気軽にお申し込みください。

ユーザー調査・分析はお任せください

相談 調査やUX人材育成研修の個別相談会(無料)

「自社の課題にあった調査を提案してほしい」「自社で調査分析ができるようUX研修を受けたい」そんな方はお気軽にご相談ください。丁寧なヒアリングのもとご提案します。

資料 お得な料金や実績が分かるサービス案内資料(無料)

当社では、手軽に始められるユーザーインタビューなどのUX調査パッケージをご用意。料金や納品物のイメージをご案内した資料をダウンロードいただけます。

お問い合わせ

CONTACT

は必須項目です。

※必須項目です。

※必須項目です。

※必須項目です。

※必須項目です。

当社の「プライバシーポリシー」 を必ずご確認の上、お申込みください。

 送信する 
お問い合わせ