UI/UXリサーチ / 戦略設計
【おすすめ動画】ヒューリスティック評価の実践的アプローチやノウハウを解説!
ヒューリスティック評価とは、UIやUXの専門家が経験則やガイドラインに基づいてWebサイトやアプリの操作性の向上と改善を図り、ユーザー体験を高めるために実施する評価・分析手法の一つです。
ヒューリスティック評価などのUX調査は日本でも行われていますが、海外では日本以上にUX分野の研究が進んでおり、本ブログでは国内外を問わずにUX関連の有益な情報を取り上げて発信していきます。
そこで今回は、海外のチャンネルからヒューリスティック評価について解説しているおすすめの2本をご紹介します。
目次
【関連記事】ヒューリスティック評価について解説した記事をご紹介!
当ブログでは、下記の記事でもヒューリスティック評価について解説しています。
今回ご紹介した動画と合わせてチェックして、ぜひあなたの事業でもヒューリスティック評価にチャレンジしてみてください。
1. ヒューリスティック評価解説動画の概要
今回の記事でおすすめする動画は以下の2本です。
Kevin Liangチャンネルの「Heuristic Evaluation | UX Method Mondays | Zero to UX」
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タイトル:Heuristic Evaluation | UX Method Mondays | Zero to UX
「ヒューリスティック評価」 -
チャンネル名:Kevin Liang(チャンネル登録者数2.8万人超 ※2024年5月9日時点)
Ari Pxlチャンネルの「UI UX Audit & Analysis Tutorial | GYMSHARK Case Study Included | 2022」
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タイトル:UI UX Audit &Tutorial | GYMSHARK Case Study Included | 2022
「UI UX 監査と分析のチュートリアル」 -
チャンネル名:Ari Pxl(チャンネル登録者数7100人超 ※2024年5月9日時点)
2. ヒューリスティック評価解説動画のおすすめポイント
ヒューリスティック評価のポイントについて、それぞれの動画のおすすめポイントを紹介します。
「Kevin Liang」チャンネルのおすすめポイント
ポイント1:ヒューリスティック評価の基礎が学べる
「Kevin Liang」チャンネルの「Heuristic Evaluation | UX Method Mondays | Zero to UX」は、ヒューリスティック評価の基本から解説していて初心者でもわかりやすい内容となっています。こちらの動画で取り上げられているのは、下記の3つの評価方法です。
「ニールセンの10原則」
まず本動画では、手軽かつスピーディーに実施できる手法として、ヒューリスティック評価手法の代表例である「ニールセンの10原則」から始めるべきであると言及しています。
「ニールセンの10原則」とは、UXやユーザビリティ研究の第一人者ヤコブ・ニールセンが提唱した「ユーザーインターフェース設計のためのユーザビリティヒューリスティック10の原則」のことで、Webサイトやアプリケーション分野のUX向上において最も知られ、よく使われている原則です。
「ニールセンの10原則」については、下記の記事で詳しく解説しています。
「10の心理学的ヒューリスティック」
次に、行動心理学者のスーザン・ワインシェンクの「10の心理学的ヒューリスティック」が紹介されています。
「10の心理学的ヒューリスティック」は「ニールセンの10原則」より人間の心理にフォーカスしていて、評価を行うのに時間はかかるものの、限られた予算で深掘りしたい場合におすすめの手法として取り上げられています。
スーザン・ワインシェンクについて詳しく知りたい方は、下記のサイトもご覧ください。
参考:
スーザン・ワインシェンクの「10の心理学的ヒューリスティック」(英文)がご覧になりたい方はこちら
「UIの原則とトラップ」
最後に紹介されているのが、マイクロソフトが提供している「UIの原則とトラップ」と呼ばれる一連の原則です。
「理解できる」「控えめである」「美しい」「快適である」「応答性が高い」「効率的である」「保護的である」「寛容である」の8つからなる原則で、カード形式でオンラインで販売もされています。
興味のある方は、下記のサイトをご覧ください。
ポイント2:ヒューリスティック評価のメリット・デメリットがわかる
本動画では、ヒューリスティック評価のメリットやデメリットがわかるのもポイントです。
メリット
ヒューリスティック評価のメリットとしては、ユーザビリティテストのように被験者(複数人の実際のユーザー)を必要としないので、短い期間で安価に実施できる点が解説されています。また、ユーザビリティテストを実施したい場合に、事前にヒューリスティック評価を行うことでテストすべき箇所の目星をつけられるのもメリットと言えます。
デメリット
反対にデメリットとしては、実際のユーザーではなくあくまでも専門家目線での評価になるため、実際のパフォーマンスやUX(ユーザー体験)に落とし込まれたテストではない、という点が挙げられています。ヒューリスティック評価の基準は一般的かつ普遍的な原則でしかないため、ユーザビリティの問題を全て解決すればUXの問題が解決するとは言い切れません。優れたUXの製品を開発するためには、ヒューリスティック評価によりユーザビリティの問題を解決した上で、実際のユーザー体験を踏まえたユーザビリティテストを実施することが推奨されます。
「Ari Pxl」チャンネルのおすすめポイント
ポイント1:ヒューリスティック評価の実践的アプローチの仕方がわかる
「Ari Pxl」チャンネルの「UI UX Audit & Analysis Tutorial | GYMSHARK Case Study Included | 2022」は、現場視点でのヒューリスティック評価の実践的なアプローチの仕方がわかります。
本動画では実際にAriさんが仕事として経験したことや実施したことをまとめています。また、競合他社を調査し共通のデザインパターンを分析し、ナビゲーション・カスタマージャーニー・検索・フィルタリングの優れている点と改善できる点を明確にしています。
ポイント2:ユーザビリティやUIに関する知識も得られる
本動画では、Webサイトの画面を表示しながら解説が進み、実際に行った検証についても言及しているので、UIやユーザビリティに関する知識も得ることができます。
ヒューリスティック評価をするためのテンプレートとして、ニールセン・ノーマン・グループ(UXデザインの名付け親であるドナルド・ノーマンとヤコブ・ニールセンが立ち上げた会社)が提唱した「ニールセンの10原則」の評価項目を組み合わせた独自のフレームワークも紹介されており、このフレームワークを組み合わせることで、効率的に評価を行えると言及されています。
また、Ariさんたちはユーザーの立場に立ってアプリのUX監査を実施して、様々なフローやユースケース(use case:アプリやシステムの利用者の要求や目的を明確に定義したもの)を試しました。これによってユーザビリティの問題、言語、UIのバグなどあらゆる誤用の記録と排除など、対象分野の専門家によるレビューと推奨事項が明確になったと解説されています。
3. 2本の動画を比較してわかること
2本の動画の共通点と違いから、内容を深掘りしていきます。
両方の動画で共通して伝えていたこと
【共通点1】ヒューリスティック評価の重要性
どちらの動画でも、ビジネスにおけるヒューリスティック評価の重要性について述べています。UIの改善やユーザビリティを向上させるためにヒューリスティック評価を行うことで、インターフェース上の問題を取り除くことができ、ビジネスの成果に繋げることができることも言及されています。
【共通点2】ヒューリスティック評価のノウハウ
2つの動画では、いずれも具体例を元にしたヒューリスティック評価の手順や「ニールセンの10原則」などのユーザビリティの原則に沿って、Webサイトやアプリを評価する手法について解説されています。
どちらも実践的であり、動画を見ることでヒューリスティック評価にチャレンジできるようになる点が共通しています。
【共通点3】ヒューリスティック評価の結果の活用方法
ヒューリスティック評価の概要ややり方にとどまらず、その結果の活用方法について紹介している点も共通しています。
あらゆるリサーチや分析に共通することですが、結果を出して終わりでは意味がありません。これらの動画を参考にすることで、その結果をもとにいかにして問題の解決や改善に繋げるか、そのための施策を考えるところまで学ぶことができます。
それぞれの動画の違い
どちらのチャンネルもヒューリスティック評価の手順を紹介しているのですが、焦点を当てる箇所が異なっています。
「Kevin Liang」チャンネルでは、ヒューリスティック評価の基礎的な概念や手順の紹介に焦点を当てており、「Ari Pxl」チャンネルは実務へ応用する方法や結果を活用する方法に重点を置いています。
ヒューリスティック評価のことがまだよくわかっていない初心者の方は、「Kevin Liang」チャンネル→「Ari Pxl」チャンネルの順でチェックすることで、自然な流れで知識を深めることができるでしょう。
4. こんな方におすすめ
①UXデザインまたはリサーチの初学者
2つの動画はUXデザインやUXリサーチの初学者の方におすすめです。
解説者がただ話しているのではなく、「Kevin Liang」チャンネルでは資料を、「Ari Pxl」チャンネルではインターフェースを使ってわかりやすく解説しているので、初学者の方でも理解しやすい内容となっています。
また、ヒューリスティック評価とは何かといった基本的なところから解説されており、「ニールセンの10原則」など、有名なユーザビリティの原則についても触れられているため、ヒューリスティック評価の概要を把握するのに適しています。
②独学でヒューリスティック評価を実施したことがある人
2つの動画はこれまでに独学でヒューリスティック評価を実施したことがある人にもおすすめです。
ヒューリスティック評価を実施したことがある人が原理・原則やガイドラインに則って評価を実施する際、その方法やフレームワークを複数検討したい場合に役に立ちます。「ニールセンの10原則」以外に「10の心理学的ヒューリスティック」や「UIの原則とトラップ」などのユーザビリティの法則に触れられているので、新たな知見を得たい場合におすすめです。
また、結果をデータ分析したり、活用する際にも役立つ動画だと言えます。
③プロジェクトマネージャー
2つの動画はプロジェクトマネージャーの方にもおすすめです。
プロジェクトマネージャーはチームを管理する立場であり、ビジネスとユーザーへの影響を考慮しプロジェクトの優先順位を定めたり、チームのメンバーにフィードバックをする機会も多いことでしょう。
ヒューリスティック評価は、自社事業のWebサイトやアプリを改善する根拠になるため、メンバーへのフィードバックにも説得力が出ます。また、2つの動画は基本的な内容からしっかり説明されていたり、具体的な事例を元にしているので、チームメンバーにヒューリスティック評価の視点を持ってもらう上でも、手助けしてくれる動画と言えるでしょう。
5. 感想とレビュー
「Kevin Liang」チャンネルの動画の感想とレビュー
・「動画の内容が非常にわかりやすく、初心者にも理解しやすい説明であると感じました。」
・「動画内で解説されていた情報を実務に活かし、自身のプロジェクトで活かしたいと感じました。」
・「無闇にヒューリスティック評価を勧めるのではなく、この手法が活きる場面とそうでない場面が解説されているので、実務でうまく取り入れられそうです。」
「Ari Pxl」チャンネルの動画の感想とレビュー
・「実務に活かせるヒューリスティック評価の手法や結果の活用方法について学べました。」
・「実際のWebサイトの画面を用いてヒューリスティック評価を実践する様子が見られたので、興味深く学べました。」
・「実際のケースや実践的なアプローチが取り入れられていたため、高い学習の効果が得られました。Figmaのテンプレートも提供されていて実用的です。」
6. まとめ
2本の動画から学べること
以上のように、2本の動画からはヒューリスティック評価のための実施方法や法則が学べるようになっています。
どちらの動画も、ヒューリスティック評価の手法について詳しく説明しており、UXデザインの現場で活かせる内容となっています。
また「Kevin Liang」チャンネルでは基本的な評価の方法を説明に重点をおいていたのに対して、「Ari Pxl」チャンネルでは実際のインターフェースを用いた実践的な評価の方法となっているという違いがありました。
「Kevin Liang」チャンネル、「Ari Pxl」チャンネル共に、ヒューリスティック評価以外のテーマでもUXデザインに役立つ動画がいくつか投稿されていますので、ぜひ合わせてご覧ください。
【関連記事】ヒューリスティック評価について解説した記事をご紹介!
当ブログでは、下記の記事でもヒューリスティック評価について解説しています。
今回ご紹介した動画と合わせてチェックして、ぜひあなたの事業でもヒューリスティック評価にチャレンジしてみてください。
今回ご紹介した動画について
おすすめUX動画1
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タイトル:Heuristic Evaluation | UX Method Mondays | Zero to UX
「ヒューリスティック評価」 -
チャンネル名:Kevin Liang(チャンネル登録者数2.8万人超 ※2024年5月9日時点)
おすすめUX動画2
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タイトル:UI UX Audit &Tutorial | GYMSHARK Case Study Included | 2022
「UI UX 監査と分析のチュートリアル」 -
チャンネル名:Ari Pxl(チャンネル登録者数7100人超 ※2024年5月9日時点)
【参考】YouTubeに日本語字幕をつけるには?
外国語版のYouTube動画を見る際は、下記の方法で日本語字幕をつけることができます。
下部メニューの字幕ボタンで字幕をオンに
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「字幕」メニューから「日本語」を選択
※日本語の選択肢がない場合は、「自動翻訳」の中から日本語を選択
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