UI/UXリサーチ / 戦略設計
【おすすめ動画】Webアンケート調査の基本から回答者が理解しやすい質問の作成方法まで解説!
Webアンケート調査は、インターネット上でアンケートを実施し、対象ユーザーの意見や行動などのデータを収集する調査方法です。
日本でもWebアンケート調査の重要性が認識されていますが、海外ではさらに進んだ研究や実践が行われています。
今回は、海外のYouTubeチャンネルから、Webアンケート調査について解説している動画を2本ご紹介します。
これらの動画は、Webアンケート調査の基本的な概念から、質問の作成方法までわかりやすく解説していますので、ぜひご覧ください。
目次
【関連記事】Webアンケート調査について解説した記事をご紹介!
当ブログでは、下記の記事でもWebアンケート調査について解説しています。
今回ご紹介する動画と合わせてチェックして、ぜひあなたの事業でもWebアンケート調査をUX改善に取り入れてみてください。
1. Webアンケート調査解説動画の概要
今回おすすめする動画は以下の2本です。
Dr Hayley Staintonチャンネルの「How To Design A Questionnaire Or Survey | Research Methods Tutorial」
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タイトル:How To Design A Questionnaire Or Survey | Research Methods Tutorial
「アンケートや調査をデザインする方法 | 研究方法のチュートリアル」 -
チャンネル名:Dr Hayley Stainton(チャンネル登録者数3.4万人超 ※2024年12月20日時点)
Jotformチャンネルの「4 Survey Design Tips to Get More Accurate Results」
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タイトル:4 Survey Design Tips to Get More Accurate Results
「より正確な結果を得るための4つの調査設計のヒント」 -
チャンネル名:Jotform(チャンネル登録者数5.4万人超 ※2024年12月20日時点)
2. Webアンケート調査解説動画のおすすめポイント
Webアンケート調査について解説している各動画のおすすめポイントを紹介します。
「Dr Hayley Stainton」チャンネルのおすすめポイント
ポイント1:アンケート調査の形式の使い分けやアンケートの種類がわかる
「Dr Hayley Stainton」チャンネルの「How To Design A Questionnaire Or Survey | Research Methods Tutorial」では、アンケート調査の形式の使い分け方がわかります。本動画では、Webアンケート調査に限らず、目的や状況に応じてアンケート方法を選択する必要があると述べられています。
アンケート調査には、自己記入式とインタビュアー記入式の2種類があります。アンケートの質問方法には、オープンエンド・クエスチョン、クローズドエンド・クエスチョンの2種類があります。
それぞれのメリットとデメリットを比較し、適切な形式、方法の選び方についても解説されています。以下にそのメリットとデメリットをまとめました。
「自己記入式」
自己記入式は、回答者自身でアンケートの回答を記入する形式です。
-
メリット
- インタビュアーやアンケート会場の用意が不要なため、コスト効率が良い
- インタビュアーと対面しないため匿名性が確保でき、デリケートな内容でも本音に近い回答が得られやすい
- 回答者の都合に合わせて記入できるため、短期間で多数の回答を集めることができる
-
デメリット
- 回答者が質問の意図を誤解し誤った回答をする可能性がある
- 文盲の方や言語の壁がある人が参加しづらい
- 途中で面倒になるなど、全員が回答するわけではないため回答率が低くなりやすい
「インタビュアー記入式」
インタビュアー記入式は、回答者に代わってインタビュアーが回答を記入する形式です。
-
メリット
- インタビュアーが代わりに記入するため、読み書きができない方でも回答できる
- 不明点や疑問をその場で解消できるため、正確かつ迅速に回答を集めることができる
- インタビュアーが回答者に代わって記入するため、最後まで回答してもらえる率が高まる
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デメリット
- インタビュアーの認知バイアス(思い込みによって合理的な判断が出来なくなる心理傾向)が存在する可能性がある
- インタビュアーのコストがかかる
- 匿名性が保たれないため、デリケートな問題には向いていない
「オープンエンド・クエスチョン」
オープンエンド・クエスチョンは、回答者自身の言葉で自由に記述してもらう質問方法です。
-
メリット
- 幅広い回答と情報を得られる
- 回答は回答者自身の視点に基づいているため、信頼性が高い
-
デメリット
- 回答の質が回答者の意欲や言語化能力に依存する
- 長文回答になりがちで、回答者に負担がかかる
- 定量的な分析がしづらい
「クローズドエンド・クエスチョン」
クローズドエンド・クエスチョンは、事前に設定された選択肢から回答してもらう質問方法です。
-
メリット
- 回答者に質問の意図を誤解されにくい
- 回答者が回答する際の労力が少なくて済む
- 収集したデータを表・グラフで表現でき、分析がしやすい
-
デメリット
- 回答者に自己表現してもらいづらい
- 複雑な心情など詳細を必要とする場合には不向き
- 選択肢が回答者の答えたいことと一致するとは限らない
ポイント2:アンケート設計のポイントがわかる
本動画では、アンケートを実施するための設計のポイントがわかりやすくまとめられています。
目的の明確化
アンケート調査における信頼性を確保するために、調査目的を明確にすることの重要性が解説されていました。アンケート実施する前に以下の点を明確にします。
- アンケート調査の具体的な性質と範囲
- 調査の背景、目的、期待される成果
質問の設計
多くの正確な回答を得るために、シンプルで理解しやすいように質問を設計することが重要であると解説されていました。
- 一つの質問に含めるのは一つの内容だけにする
- 正確かつ具体的な表現にする
- 先入観や誘導的な言い回しを避ける
- 一般的な質問から開始し、具体的な質問へと段階的に移行する
レイアウトと読みやすさ
アンケート調査は、レイアウトや読みやすさを考慮して作成することが推奨されていました。
- 読みやすさを確保するため、適切な文字サイズにする
- 1ページに配置する量を最適化し、回答者への負荷を軽減する
- 明確かつシンプルなデザインにする
- コントラストを活用し重要な情報を強調する
「Jotform」チャンネルのおすすめポイント
ポイント1:アンケート調査の回答率や回答の質を向上させる方法がわかる
「Jotform」チャンネルの「4 Survey Design Tips to Get More Accurate Results」では、アンケート調査の回答率を向上させる方法や、正確な回答に導くための質問設計を詳しく説明しています。
具体的には、質問を短く簡潔にすることで回答者の関心を維持できることや、以下のような所要時間や質問数に関する回答率の研究結果について言及されています。
回答にかかる所要時間
-
5分以内の調査
- 最良の回答率を得られた
-
11分以上の調査
- 放棄率が高くなる傾向がある
質問数
-
10問の質問設定
- 5分以内で完了(1問あたり約30秒)
-
30問の質問設定
- 10分以内で完了(1問あたり約19秒)
上記のように、アンケート調査の所要時間が長いと回答者は早く終わらせたい意識が高まり、回答を速める傾向があると解説されています。
また、回答のスピードを速めることは、質問の読み間違いにもつながり、データの質に影響を与える可能性があるとも指摘しています。このことから、アンケート調査を短く簡潔にまとめることで、より良い結果が得られることがわかります。
ポイント2:アンケート調査の質問文言を見直すことの重要性がわかる
本動画では、アンケートの質問文言を見直し、回答に偏りや誤解を引き起こさないようにすることの重要性がわかります。アンケート調査の文言を見直す際の心掛けについては、以下の3点をあげて解説されています。
誘導的な質問を避けるための効果的な質問の書き方について解説されています。別のケースで例えると以下のような内容です。
-
悪い例
- この製品はどのくらい便利に感じられましたか?
-
良い例
- この製品を使用して、どのように感じましたか?
悪い例では「便利」が肯定的な回答に誘導しており、客観性が損なわれます。一方、良い例のような質問であればバイアスがかかりません。
一度にする質問は一つだけにするのが望ましいと解説されています。アンケート調査では、複数の質問内容が一つにまとめられてしまっていることが多く、混乱を招く可能性があると指摘されています。
-
悪い例
- この製品を使用したことがあり、使用感が良いと思いましたか?また、その理由は何ですか?
-
良い例
- この製品を使用したことがありますか?
- (使用したことがある場合)この製品を使用してどう感じましたか?(該当するものを選んでください)
- その理由を教えてください。(自由記述)
肯定と否定のバランスが取れた選択肢を用意することで、回答の方向性に偏りを生じさせないようにすることが大切だと解説されています。回答スケールの範囲は、以下のように肯定的な選択肢と否定的な選択肢を同数にします。
【回答スケールの範囲】
-
リッカート尺度
非常に良い・良い・平均・平均以下・悪い -
数値評価尺度
悪い ← 0・1・2・3・4・5 → 非常に良い
このように、リッカート尺度や数値評価尺度は、感情や意見の強さを段階的に測定可能で、量的データとして統計的に分析できます。しかし、評価基準があいまいな場合は、回答者間でばらつきが生じる可能性があります。質問のわかりやすさを判断することが難しい場合は、同僚や友人にフィードバックを得ることも推奨しています。
3. 2本の動画を比較してわかること
2本の動画の共通点と違いを通じて、内容を深掘りしていきます。
両方の動画で共通して伝えていたこと
【共通点1】アンケート調査の目的を明確にすること
どちらの動画も、アンケート調査の目的を明確にすることについて解説されていました。
「Dr Hayley Stainton」チャンネルでは、どのような質問をするのか、なぜ質問するのかを慎重に考えてくださいと伝えています。なぜなら、最初に考えるべきアンケートの管理方法も、アンケートの目的を明確にして初めて検討できるからです。
一方、「Jotform」チャンネルでは、アンケートの目的を明確にすることが、高品質なデータ収集の基本であると解説しています。目的がはっきりしていることで、より有意義な洞察と効果的な意思決定につながります。
【共通点2】アンケート調査の質問形式の特徴
どちらの動画も、アンケート調査の質問形式について解説していました。アンケート調査には、オープンクエスションとクローズドクエスチョンの2種類があり、選択肢式の中でも、スケールを用いた質問が適切なデータ収集に有効であることがわかります。
「Dr Hayley Stainton」チャンネルでは、アンケート調査の形式、アンケートの種類のメリット・デメリットがわかりやすく説明されていました。
一方、「Jotform」チャンネルでは、自由回答式と選択肢式の使用場面について解説されていました。アンケートの回答率を向上させるためには、自由回答式の質問を制限し、選択式の質問を中心に設計することが必要であるとされています。
また、自由回答式は、特定のフィードバックを探している場合や、調査対象者が少ない場合に使用するのが最適だと伝えています。
【共通点3】アンケート調査を簡潔にする方法
どちらの動画も、アンケート調査を簡潔にする方法について解説されていました。アンケート調査では、回答者が混乱しないよう簡潔に設計することの重要性がわかります。
「Dr Hayley Stainton」チャンネルでは、目的に直接関連する質問に内容を絞り込み、不必要な質問を排除して作成するように伝えています。複合的な質問は避け、一つの質問には一つの内容のみとすることが推奨されています。
一方、「Jotform」チャンネルでは、質問を簡潔にして所要時間を短くすることで、回答者の回答意欲が維持され、回答の質の向上につながると伝えています。
4. こんな方におすすめ
①アンケートの実施場面を知りたい方
2つの動画とも、アンケート調査の適切な実施場面を知りたい方におすすめです。
「Dr Hayley Stainton」チャンネルでは、アンケート調査はファクトデータを収集するための手段であり、研究や論文、マーケティングでもよく使用されると解説されています。オンライン実施時には「Googleフォーム」や「SurveyMonkey」などのツールを活用することを推奨しており、実施場面に応じたツールを選択することが、効果的なデータ収集につながることが理解できます。
「Jotform」チャンネルでは、アンケートは顧客情報を収集する上で有用なツールであり、顧客が直面している問題についての洞察を得たい場合に最適な方法であると言及されています。
②有用なアンケート結果をなかなか得られず悩んでいる方
2つの動画とも、アンケートの質を高めてより有用な結果を得たい方におすすめです。どちらの動画でも、アンケート調査の形式の使い分けや調査を簡潔にする方法など質の高いアンケート調査を設計する方法が解説されていました。
アンケートの質を高める方法として、「Dr Hayley Stainton」チャンネルでは、質問のタイプを適切に使い分けることや、質問はわかりやすく、専門用語や難解な表現を避けるべきであることが解説されています。また、関連性のある質問を選定して、事前テストで質問の理解度を確認することもおすすめしています。
「Jotform」チャンネルでは、研究結果に基づいた最適なアンケートの所要時間や質問数などのデータについても学ぶことができます。
③データ収集を正確に行いたい方
2つの動画とも、データ収集を正確に行いたい方におすすめです。
「Dr Hayley Stainton」チャンネルでは、正確なデータを収集するために、スケーリング・クエスションの作成を推奨しています。統計ツールの使用による定量的データの収集と分析を容易にしてくれるからです。
「Jotform」チャンネルでは、正確なデータの価値について言及しており、アンケート設計が不十分な場合、不完全または不正確なデータが生じる恐れがあると伝えています。焦点を当てたいテーマごとにアンケート調査を分割することで、必要なデータをより速く取得できると伝えています。
5. 感想とレビュー
「Dr Hayley Stainton」チャンネルの動画の感想とレビュー
・「アンケート調査の設計について初めて学ぶ初心者から、既に知識を持つ上級者まで、幅広く対応できる内容となっています。」
・「自己記入式とインタビュアー記入式の質問の違いやその選択方法についても触れられているため、目的に応じて最適な方法を選ぶのに役立ちます。」
・「GoogleフォームやSurveyMonkeyなどのオンラインアンケートツールの使用場面や効果的な作成方法を解説していて、実践につなげやすい内容です。」
「Jotform」チャンネルの動画の感想とレビュー
・「アンケートの長さと質問の設計が回答の質に大きく影響することを理解できました。」
・「質問設計の過程での注意点や最適化する方法についても、多くの実践的なアドバイスが提供されています。」
・「テーマごとに分割した短いアンケートを実施することで、回答者の負担を減らしながら、より焦点の定まったデータを収集できるということを学べました。」
6. まとめ
2本の動画から学べること
以上のように、2本の動画はWebアンケート調査の質問形式や、回答者にスムーズに答えてもらう方法が学べる内容となっています。さらに、Webアンケート調査の目的から作成方法までが学べるようになっています。
「Dr Hayley Stainton」チャンネルでは、アンケート形式や質問の種類などのメリット・デメリットがわかりやすく、アンケート調査の設計方法をメインに解説されていました。
また、「Jotform」チャンネルでは、アンケート調査の回答率を向上させる方法として、質問内容を短く簡潔にする方法や作成した質問の文言を見直し、正確なデータを収集する方法について解説されていました。
「Dr Hayley Stainton」チャンネル、「Jotform」チャンネル共に、Webアンケート調査以外のテーマでもUXデザインに役立つ動画がいくつか投稿されていますので、ぜひ合わせてご覧ください。
【関連記事】Webアンケート調査について解説した記事をご紹介!
当ブログでは、下記の記事でもWebアンケート調査について解説しています。
今回ご紹介した動画と合わせてチェックして、ぜひあなたの事業でもWebアンケート調査にチャレンジしてみてください。
今回ご紹介した動画について
おすすめUX動画1
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タイトル:How To Design A Questionnaire Or Survey | Research Methods Tutorial
「アンケートや調査をデザインする方法 | 研究方法のチュートリアル」 -
チャンネル名:Dr Hayley Stainton(チャンネル登録者数3.4万人超 ※2024年12月20日時点)
おすすめUX動画2
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タイトル:4 Survey Design Tips to Get More Accurate Results
「より正確な結果を得るための4つの調査設計のヒント」 -
チャンネル名:Jotform(チャンネル登録者数5.4万人超 ※2024年12月20日時点)
【参考】YouTubeに日本語字幕をつけるには?
外国語版のYouTube動画を見る際は、下記の方法で日本語字幕をつけることができます。
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