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市場調査とは?調査の目的から複数のフレームワークの種類まで解説
市場調査は、商品開発や販売促進の過程で課題が生じた際に行われ、環境要因の究明や戦略立案・改善の糸口を見つけることを目的として行うことが多い傾向にあります。
本記事では、市場調査の目的から、調査で使われることの多い複数のフレームワークまでをご紹介します。
1. 市場調査とは?
市場調査とは、商品開発や販売促進の際に戦略を立てるために市場や顧客の動向やニーズなどの情報を収集することです。
市場調査の目的
市場調査を行う際には、まず、調査の対象や目的を明確にすることが大切です。
市場調査が必要になるのは、例えば下記のようなケースが該当します。
- 市場参入や撤退を検討する時
- 特定の商品や機能を改善する時
- 商品やサービスの開発を行う時
- マーケティングの戦略を立てる時
- 打つ広告を検討する時
- Webサイトやオウンドメディアを運用・構築する時
収集した情報を元に、市場での現在地を定期的に確認しながら他社と差別化したポジションを確立していきます。
市場調査の種類
市場調査は大きく定量調査と定性調査に分けられます。
定量調査
定量調査は、収集した情報を数値化して分析することを前提に設計した調査のことを指し、結果を統計的に分析することができるのが特徴です。
定量調査の代表的な調査として、Webアンケート調査などが挙げられます。
Webアンケート調査について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
定性調査
定性調査は、数値では表せない意見や動向に関しての情報を集める調査です。市場で求められているものに対して仮説を立てて検証したり、顧客の潜在的なニーズを深掘りすることで、製品・サービスの開発や改善に活用します。
定性調査の代表的な調査には、ユーザーインタビュー調査やエスノグラフィー調査(現地行動観察調査)などがあります。
ユーザーインタビュー調査やエスノグラフィー調査(現地行動観察調査)について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
市場調査の実施タイミング
市場調査で収集した情報を有効活用するためには、市場調査を実施するタイミングが重要です。
具体的には、プロジェクトを動かし始めたり、何かの改善を検討したりするなど、課題が生じるタイミングで市場調査が必要になります。市場調査を実施する際には、調査後のプロジェクト進行も踏まえてスケジュールを具体的に決めてから進めていくことが大切です。
定量調査に向いているのは、データを集めて検証したり、大衆の傾向を知りたい時です。例えば、下記のようなタイミングで実施することがおすすめです。
- 検討中のサービスにマッチするユーザーの属性を把握したい時
- 複数の施策案の中で採用するべき案を悩んでいる時
- 複数の商品の中で一番選ばれやすい商品を知りたい時
一方、定性調査は、ユーザーや顧客の潜在ニーズを把握したい時に有効です。例えば、下記のようなタイミングが考えられます。
- サービスへの満足・不満の「理由」を具体的に知りたい時
- 新商品の開発に向けてヒントを得たい時
- 顧客体験からサービスの改善点を見出したい時
2. 市場調査と分析プロセス
本章では、市場調査と分析プロセスについて3段階に分けて解説していきます。
まず、市場調査により環境分析を行います。環境分析とは、自社の企業活動に大きな影響を与えうる世の中の動向や業界環境、自社の経営環境などを調査し分析することです。
環境分析はマクロ環境とミクロ環境の2つに分けることができます。
そして、マクロ環境についての分析に「外部環境分析」があり、ミクロ環境についての分析に「業界環境分析」と「内部環境分析」があります。
以下にその詳細を解説します。
1.市場調査と環境分析
マクロ環境
マクロ環境とは、政治・経済・社会情勢・科学技術など、自社の活動に直接相関性がなく、コントロールすることができない外部の大きな動向のことです。中長期的には、マクロ環境の変化に適合するように自社の戦略を定義していくことになります。
外部環境分析
マクロ環境についての分析を「外部環境分析」と呼びます。
近年はオンライン化やAIの活用、自然災害や感染症の流行など、自社を取り巻く環境の変化が大きく、「VUCA(ブーカ)」の時代と呼ばれています。「VUCA」とは、「Volatility(変動性)」「Uncertainty(不確実性)」「Complexity(複雑性)」「Ambiguity(曖昧性)」の頭文字取ってできた単語です。
このような時代背景においては、外部環境をしっかりと分析することが経営や事業戦略にとって大切だと言えるでしょう。
マクロ環境で起こる事象そのものはコントロールできないので、与えられた条件の範囲の中で最善の選択をしていくためにも、状況を正確に捉え、起こりうる未来の可能性を把握してリスクヘッジしていくことが重要です。
分析フレームワーク例
外部環境分析は、「Politics(政治)」「Economics(経済)」「Society(社会)」「Technology(技術)」の4つの要素に分けて分析するPEST分析などのフレームワークを用いて行います。PEST分析については、次章で詳しく解説します。
ミクロ環境
ミクロ環境とは、市場・競合他社・顧客動向など、自社の活動によって一定程度影響を与えられる周辺環境のことです。
多くの場合、企業が行う短中期の戦略や施策は、ミクロ環境要因に基づいています。
業界環境分析
自社の競合となりうる他社も含めたミクロ環境を分析することを、「業界環境分析」と言います。
競合他社は2種類に分けられ、自社と同じターゲット層に向けて同様の商品を展開しているのが「直接競合」。一方、サービスや製品は違えど同じような価値提供をしている、あるいは、異なるターゲット層に向けて同様の商品を展開しているのが「間接競合」です。
市場調査を行う際には、「直接競合」と「間接競合」の両方の調査を行って競合他社を特定し、自社の立ち位置の把握や他社との差別化を行います。
分析フレームワーク例
業界環境分析は、5フォース分析などのフレームワークを用いて行います。5フォース分析については、次章で詳しく解説します。
内部環境分析
競合他社ではなく、自社のミクロ環境に目を向けた分析のことを、「内部環境分析」と言います。内部環境は、物質的なもの以外にも目に見えないものも含まれ、例えば下記などが挙げられます。
- ブランド力
- マーケティング力
- 営業力
- 技術開発力
- アフターサービス
- マネジメント体制
- カルチャー
- 拠点数
- 顧客数
- 顧客満足度
内部環境を分析することで、自社の市場での競争優位性や理想と現状とのギャップが明確になります。
現時点での弱みを改善につなげたり、経営上の意思決定をしたり、市場からの撤退タイミングを決めたりするにあたって、重要な分析になります。
分析フレームワーク例
内部環境分析は、バリューチェーン分析などのフレームワークを用いて行います。バリューチェーン分析については、次章で解説しますのでそちらをご覧ください。
2.調査/分析に基づく基本戦略
次に、市場調査・分析後に策定を進める基本戦略について解説します。基本戦略の段階では、戦略立案のための分析や目標設定を行います。
戦略立案のための分析
事業を行う上では、実施する施策を決めるための戦略が必要です。そして、戦略を立てるために必要なのがまずは現状を整理し、分析を行うことです。
競合他社との差別化をするために、市場調査・環境分析で得た情報を踏まえながら、自社の強みや弱み、提供価値、勝てるフィールドなどを明確にしていきます。
分析フレームワーク例
強みや弱み、優位性を分析するには、次のようなフレームワークが有効です。
- SWOT分析
- SWOTクロス分析
- VRIO分析
それぞれのフレームワークの内容については、次章で詳しく説明します。
目標策定
基本戦略を立てる上では、プロジェクトメンバーと共にビジョンやゴールを明確化することが重要です。
これから進める事業開発やプロダクトの改善において、長期的な将来像(ビジョン)を描き、それを達成するための中長期目標(KGI)を立てます。さらに、事業やプロダクトの現状を把握した上で、中長期目標を達成するために不可欠な短期目標(KPI)まで設定します。
分析フレームワーク例
目標策定には、プロダクト戦略キャンバスなどのフレームワークがおすすめです。
プロダクト戦略キャンバスについては、次章で解説しますのでそちらをご覧ください。
3.改善施策
3つ目に、市場調査における改善施策を実施します。改善施策のための分析方法は、改善施策のための分析と、改善モデルの可視化に分けられます。
改善施策のための分析
改善施策を行うためには、まずは改善する目的を明確にしていきます。そして、現状を分析して課題を洗い出し、改善案を出していきましょう。
分析フレームワーク例
改善施策では、STP分析や4P分析・7P分析・4C分析などのフレームワークの活用がおすすめです。それぞれのフレームワークの内容については、次章で詳しく説明します。
改善モデルの可視化
事業やプロダクトを新たに開発したり改善したりする上では、複雑なビジネス構造を整理し、プロジェクトメンバーで共通認識を持つ必要があります。
どのようなターゲットにどのような価値を提供し、どのような方法や経路で提供し、収益に繋げて行くのか。このような事業に関わる複数の要素を具体的に可視化して議論を進めていきます。
事業を構成する要素を可視化する際にも、フレームワークが有効です。
分析フレームワーク例
可視化する際に役立つフレームワークとして、リーンキャンバスやビジネスモデルキャンバスがあります。それぞれのフレームワークの内容については、次章で詳しく説明します。
3. 市場調査のフレームワーク
本章では、前章でご紹介した市場調査における分析のフレームワークについて、一つひとつ詳細を説明していきます。
1.PEST分析
PEST分析とは、自社をコントロールする外部環境を4つの要素に分けた上で分析する手法です。4つの外部環境要因とは、下記のような内容です。
政治的要因(Politics)
政治的要因(Politics)とは、自社に影響を与える政治や行政の動向、法律などを指します。
例)
- 法改正
- 条例の改正
- 規制緩和
- 補助金の交付
経済的要因(Economy)
経済的要因(Economy)とは、自社の売上や利益に影響を与える経済動向などを指します。
例)
- 景気
- 株価
- 金利
- 為替動向
社会的要因(Society)
社会的要因(Society)とは、ターゲットの購買行動に影響を与えうる人口動向や価値観の変化などを指します。
例)
- 少子高齢化
- ポスト・コロナ
- ライフスタイル
- 文化
- 流行
技術的要因(Technology)
技術的要因(Technology)とは、自社のサービスや業務プロセスなどに影響する新技術やシステムの動向などのことを指します。
例)
- AI・ブロックチェーン・ビッグデータ
- ノーコード・ローコード開発
- マーケティングツール
- IoT家電
- 自動運転技術
- 特許技術
2. 5フォース分析
5フォース分析の「force」は、直訳すると「力」や「影響力」というような意味があり、マーケティングの場面では、「脅威(競争要因)」という意味で使われています。
5フォース分析は、マイケル・ポーター(アメリカの経営学者)が提唱し、自社の脅威となる「既存の競合他社」「新規参入業者」「代替品」「売り手の交渉力」「買い手の交渉力」の5つの観点から、外部環境を同業界内に絞ってミクロ視点で分析するフレームワークです。
業界全体の構造を把握しつつ、自社に直接影響を及ぼす競合他社や今後新規参入してくる可能性のある競合、自社の製品やサービスの代替となりうる競合の脅威を明確にし、自社の強みや競争優位性を発見する際に活用することがおすすめです。
既存の競合他社
既存の競合他社では、現在シェアを争っている競合他社との競争度合いや関係性を分析します。競争が激化した場合、一層他社と差別化を図ることが必要となります。
分析に必要なデータの例
- 売上(収益)
- 資金力
- 認知度
- 成長率
新規参入業者
新規参入業者では、自社と同じ業界に新しく参入する企業を分析します。新規参入しやすい業界は競争が激化しやすく、参入障壁が高い業界は競争が緩やかになる傾向があります。
分析に必要なデータの例
- リソース
- 期間
- 参入コスト
代替品
代替品とは、既存の商品以外で顧客のニーズを満たす、同じような別の商品のことです。例えば、デジタルカメラやゲーム機器の代替品としてスマートフォンのカメラ機能やアプリなどが挙げられます。
他のものに商品が代替されてしまうと収益に影響が出るため、分析する際は顧客のニーズを起点に考えるようにしましょう。
分析に必要なデータの例
- 代替品の収益性
- 代替品の市場規模
売り手の交渉力
売り手の交渉力とは、自社商品の製造や販売に必要な仕入先が持つ交渉力の強さのことです。仕入先に交渉力がある場合は、コストが増大する可能性があります。
分析に必要なデータの例
- 仕入先数
- 仕入値
買い手の交渉力
買い手の交渉力とは、販売代理店や小売店、消費者など、自社商品の卸先が持つ交渉力の強さのことです。卸先に販売力があったり、力関係に差がある場合、商品を安く買い叩かれる可能性があります。
分析に必要なデータの例
- 購入先の数
- 価格帯
3.バリューチェーン分析
バリューチェーン分析とは、原材料を調達してから商品が顧客に届くまでの事業の工程を分析し、付加価値が生まれる部分(価値の連鎖:バリューチェーン)を明確にするフレームワークです。
事業の各工程のコストや強み・弱みを、「購買物流」「製造」「出荷物流」「マーケティング・販売」「サービス」などの主活動と、「全般管理・インフラ」「人事・労務管理」「技術開発」「調達」などの支援活動に分けて、利益と結びつけながら個別に分析することにより、どの工程にどのような付加価値があるのかを視覚化して分析することができます。
バリューチェーン分析は、下記の流れで行います。なお、4つ目のVRIO分析は「6.VRIO分析」で解説します。
-
- 自社のバリューチェーンを洗い出す
-
- 事業の各工程のコストを把握する
-
- 強みや弱みを把握する
-
- VRIO分析を行う
4.SWOT分析
SWOT分析とは、内部環境である「Strength(強み)」「Weakness(弱み)」と外部環境である「Opportunity(機会)」「Threat(脅威)」の4つの要素を分析する手法です。
下記のような際によく用いられる分析で、比較的活用シーンの多い手法であると言えます
- 経営方針を決定する時
- 営業・マーケティング戦略を策定する時
- 提携企業の分析をする時
- 競合他社の分析をする時
- プロダクト開発の方向性を見極める時
5.SWOTクロス分析
SWOTクロス分析は、SWOT分析をもとに強みと弱み、機会と脅威をそれぞれかけ合わせて戦略を練ることで、取るべき戦略の方向性を定めるための手法です。
-
「強み」×「機会」
強みを活かして機会を最大限に活用する戦略 -
「強み」×「脅威」
強みを活かして他との差別化を図り、脅威を乗り切るための戦略 -
「弱み」×「機会」
弱みを補い、新たな機会を得る戦略 -
「弱み」×「脅威」
弱みによる最悪の脅威を最小限に抑えたり回避する戦略
6.VRIO分析
VRIO分析とは、自社の経営資源に対して、「経済的価値」「希少性」「模倣可能性」「組織」の4つの要素から、競合他社と比較して自社の優位性や経済資源を分析する手法です。VRIO分析を行うことで自社の強み・弱みを活かした戦略を立てやすくなります。
経済的価値(Value)
経済的価値(Value)とは、商品に継続的にお金を支払う経済的価値があるかを評価する項目です。経済的価値(Value)では下記の4つを確認します。
- 市場における商品の価値
- 社会への影響
- 継続購入
- 新たなビジネスチャンスへの繋がり
希少性(Rarity)
希少性(Rarity)とは、競合他社と比較して、自社の経済資源に独自性があるかを評価する項目です。独自性が高いほど模倣されにくく、市場のシェアを獲得しやすくなります。希少性(Rarity)では下記のような点を確認します。
- 自社にしか作り出せない製品があるか
- 自社でしか育成できない価値ある人材がいるか
- 自社でしか持っていない権利を有しているか
模倣可能性(Inimitability)
模倣可能性(Inimitability)とは、自社の経営資源を模倣できるかを評価する項目です。模倣が難しいほど希少性も高く、市場での優位性が高まります。模倣可能性(Imitability)では下記の2つを確認します。
- 自社の経営資源は他社に模倣されやすいか
- 他社が模倣しようとしてもコスト面で優位に立てるか
組織(Organization)
組織(Organization)とは、経営資源を活用するための組織力を評価する項目です。持続的な優位性を保つことができる状態かを判断します。組織(Organization)では下記の2つを確認します。
- 経営資源をスムーズに活用できるだけの組織体制が整っているか
- 経営資源を保有し続けるための組織の仕組みは構築されているか
7.プロダクト戦略キャンバス
プロダクト戦略キャンバスとはビジョンやゴールを明確化するためのフレームワークです。下記の順番で、プロダクト戦略キャンバスを描いていきます。
1. ビジョン
長期的に目指す姿(定性的な将来像イメージ)を設定
2. 挑戦/ゴール(KGI:Key Goal Indicator)
ビジョンの実現のための中長期的な挑戦(計測可能な目標)を設定
(達成に向けて最大の障壁となるうる課題に取り組む)
3. 目標の条件 (KPI:Key Performance Indicator)
挑戦/ゴールをさらに分解し短期目標(計測可能な目標)を設定
(ゴール達成に必要な条件を割り出し、最初のアクションを決める)
いつまでにどうなっていたいのか、長期的な将来像を描いた上で、中長期と短期に分解し、現状と目標との乖離が埋まるよう、時期と達成目標をブレイクダウンして設定していきます。
8.STP分析
STP分析とは、セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニングの3つに分けて分析するフレームワークです。STP分析は、独自のシェア獲得を目指すために競合他社と差別化やターゲットを選定するための分析です。
- セグメンテーション(Segmentation):消費者を属性とニーズで細分化すること
- ターゲティング(Targeting):セグメントで細分化した市場の中から、狙う市場を決めること
- ポジショニング(Positioning):ターゲティングで決めた市場での自社の立ち位置を決めること
9.4P分析
4P分析とは、「商品」「価格」「流通」「販売促進」の4つの視点で分析するフレームワークです。4P分析は、自社の強みや課題を発見するために企業目線で分析します。
- 商品(Product):商品が顧客にとって価値のあるものか
- 価格(Price):商品の価格が妥当か
- 流通(Place):顧客に商品を届ける方法が適切で入手しやすい状況か
- 販促促進(Promotion):顧客に商品を伝えるための広告展開など、購入を促せているか
10.7P分析
7P分析とは、フィリップ・コトラー(アメリカの経営学者)が提唱したフレームワークで、4P分析にさらに「人」「サービスプロセス」「物理的証拠」の3つの視点が加わったものです。主にサービス業で活用されます。
- People(人):ターゲットにサービスを提供するスタッフ、関係者、協力会社等の質
- Process(サービスプロセス):顧客にサービスを提供する際の一連のプロセスや体験
- Physical Evidence(物理的証拠):付加価値の証明となる「物理的証拠」(商品であれば品質証明や成分表示による安心感や信頼感、サービスであれば口コミ評価や利用者数等)
11.4C分析
4C分析とは、「顧客価値」「コスト」「利便性」「コミュニケーション」の4つの視点から分析するフレームワークです。4C分析は、実際に施策を決める際に顧客視点で分析します。
- 求められる顧客価値(Customer Value):顧客に実感してもらえる商品の提供価値
- 顧客にとっての経費(Cost):顧客が提供価値を得るために支払う費用
- 顧客利便性(Convenience):顧客にとっての利便性
- 顧客とのコミュニケーション(Communication):商品に関連する情報発信などを含めた、顧客との接点
4P分析や7P分析、4C分析のように顧客にアプローチするための要素を複数組み合わせてマーケティング戦略を検討することを「マーケティングミックス」と言います。4P/7Pのような企業視点のマーケティングミックスと、4Cのような顧客視点のマーケティングミックスの両サイドから分析すれば、より効果的なマーケティング戦略を設計することができ、相乗効果が狙えます。
12.リーンキャンバス
リーンキャンバスとは、アッシュ・マウリャ(起業家)が提唱した、スタートアップや新規事業を対象として設計されたフレームワークです。
上記のように要素を枠で区切り、情報を書き込んで可視化していきます。リーンキャンバスは、重要な課題解決・指標・優位性などにフォーカスされており、主に新規の事業モデルの企画立案に活用されています。
13.ビジネスモデルキャンバス
ビジネスモデルキャンバスとは、アレックス・オスターワルダーとイヴ・ピニュール(両者共にスイスの起業家)が提唱した、ビジネスの構造を整理して視覚的にわかりやすく表現するフレームワークです。
重要なパートナー・リソース・活動・顧客との関係にフォーカスされており、事業を取り巻く環境や既存事業の継続・発展の見通しを可視化するのに役に立ちます。
4. まとめ
今回の記事では、市場調査全体の流れや種類について解説しました。
市場調査を行う際はまず、調査の対象や目的を明確にし絞って実施することや、実施するタイミングが大切です。
そして、マクロ環境とミクロ環境といった環境要因を分析した後は、戦略を立案して目標を策定し、改善の施策に繋げていく流れも大切です。
市場調査に基づく分析には様々な分析のフレームワークがあり、本記事では代表的なものとしてPEST分析・ 5フォース分析・バリューチェーン分析・SWOT分析・SWOTクロス分析・VRIO分析をご紹介しました。
また、戦略や改善施策としてプロダクト戦略キャンバス・STP分析・4P分析・7P分析・4C分析・リーンキャンバス・ビジネスモデルキャンバスについてもご紹介し、計13種類のフレームワークを解説しました。
新しいプロジェクトの戦略を立てたい、サービスや製品の改善をしたいという課題が生まれた時には、本記事を参考に市場調査を実施してみてください。
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