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UI/UXリサーチ / 戦略設計

【書籍紹介】『はじめてのカスタマージャーニーマップワークショップ 「顧客視点」で考えるビジネスの課題と可能性』

【書籍紹介】『はじめてのカスタマージャーニーマップワークショップ 「顧客視点」で考えるビジネスの課題と可能性』

製品やサービスを認知して購入するまでの顧客の行動プロセスや思考、感情の変化を可視化することで、顧客視点でビジネスを考える際に役立つカスタマージャーニーマップ。しかし、カスタマージャーニーマップを作りたいと思っても、どのように作ったら良いか、あるいは活用の仕方がわからない場合もあるのではないでしょうか。

今回は、ワークショップ形式でカスタマージャーニーマップを作成するための本『はじめてのカスタマージャーニーマップワークショップ 「顧客視点」で考えるビジネスの課題と可能性』をご紹介します。

1. 今回ご紹介する書籍の基本情報

今回紹介する書籍は以下の通りです。

書籍の基本情報

  • 書籍名:はじめてのカスタマージャーニーマップワークショップ 「顧客視点」で考えるビジネスの課題と可能性
  • 著者名: 加藤 希尊
  • 発行年月日:2018/9/25
  • 出版社:翔泳社
  • URL:https://amzn.asia/d/6tEPpyk

書籍の追加情報

書籍の公式サイトや作者の執筆記事などをまとめました。

2. 書籍の要約

本書は、ワークショップ形式でのカスタマージャーニーマップの作成方法を紹介している本です。

  • 「カスタマージャーニーマップとは」
  • 「ワークショップを成功に導くために」
  • 「マップを作ってみよう〔B2C編〕」
  • 「マップを作ってみよう〔B2B編〕」
  • 「事例で学ぶマップの活用」
  • 「マップからアクションにつなげよう」

の6章に分けて、事例や図表、カードやシートを用いながら具体的なカスタマージャーニーマップの作り方について解説しています。

Chapter01「カスタマージャーニーマップとは」

Chapter01では、まず急速に変化する新しい顧客体験について学んだ上で、カスタマージャーニーとは何か、ペルソナの作り方と代表性、カスタマージャーニーマップ作成の8つのステップなど、カスタマージャーニーマップを作るための大きな流れについて順を追って解説されています。

Chapter02「ワークショップを成功に導くために」

Chapter02では、カスタマージャーニーマップワークショップに必要な3つのこと(事前準備・環境設定・ファシリテーション)について学んでいきます。またワークショップ終了後のフォローアップや小さなアクションについても解説しています。

Chapter03「マップを作ってみよう〔B2C編〕」

Chapter03からは、実際にカスタマージャーニーマップを作成するフローに入ります。まずは、BtoCのカスタマージャーニーマップについて取り上げられており、以下に8ステップごとに解説しています。

  • テーマを決める
  • ペルソナを決める
  • 行動を洗い出す
  • 行動をステージに分ける
  • 顧客視点を明確にする
  • 感情の起伏を創造する
  • 対応策を考える
  • 視点を変えてアイデアを追加する

Chapter04「マップを作ってみよう〔B2B編〕」

続いて、Chapter04は、BtoBのカスタマージャーニーマップ作成の流れについて学びます。
BtoCと内容はほとんど一緒ですが、BtoBならではのアプローチの違いを理解できる章です。また、BtoBのカスタマージャーニーマップの完成版も掲載されており、具体的な事例としてイメージしやすいようになっています。

Chapter05「事例で学ぶマップの活用」

Chapter05には、カスタマージャーニーマップを活用した6つの企業の事例が掲載されています。この事例で登場する企業はチャコット、バリューマネジメント、ジェーシービー、ビズリーチ、トレタ、ユーザベースです。BtoC領域からBtoB領域まで、実例でわかりやすく紹介しています。

Chapter06「マップからアクションにつなげよう」

本書の最後となるChapter06は、作成したカスタマージャーニーマップをどのようにアクションに落とし込むかがテーマです。
基本編と応用編に分けて解説されています。基本編では、カスタマージャニーマップを社内に共有して、マップから学んだことを振り返ります。
応用編では、具体的な施策に落とし込むためのDM発送やワークショップの開催、雰囲気の生み出し方、カスタマージャーニー思考を身に付けることによって得られるものなどについて解説しています。

また、巻末には本書で使われている「接点カード」「感情カード」「ペルソナシート」のURLリンクが記載され、ダウンロードできるようになっています。

3. 書籍のおすすめポイント

本書はカスタマージャーニーマップのワークショップを開催するのにとても役に立つ本です。本書をおすすめしたい理由を3つにまとめました。

カスタマージャーニーマップの作り方や流れがわかりやすい

本書をおすすめする理由の1つ目は、カスタマージャーニーマップがどんなものかわかる点です。
本書はワークショップ開催をメインにした内容になっていますが、序盤では「カスタマージャーニーマップとは?」「ペルソナの作り方と代表性」「カスタマージャーニーマップ作成の8ステップ」「カスタマージャーニーマップが重要な5つの理由」などが述べられています。ワークショップに入る前に、初めて取り組む方でもカスタマージャーニーマップの概念や作り方、流れを理解しやすい本だと言えます。

カスタマージャーニーマップのワークショップにフォーカスしている

続いてのおすすめ理由は、単純なカスタマージャーニーマップの作り方ではなく、ワークショップの実施にフォーカスして書かれている点です。
本書では、カスタマージャーニーマップの作成は個人で取り組むのではなく、グループでワークショップ形式をとって取り組むことを前提としています。
カスタマージャーニーマップは1人でも作ることは可能ですが、チームで作成することで多くの視点が入って厚みが出るだけでなく、チーム内でもジャーニーへの意識を高めることができます。
事前準備の方法から、ファシリテーションの心得、ワークショップ終了後のフォローアップまで、ワークショップを開催する際の手順がわかりやすくまとまっていて、実際に開催する時に役立つ実践的な内容になっています。

事例が具体的でわかりやすい

本書をおすすめする最後の理由は、事例が具体的でわかりやすい点です。
本書では6社のカスタマージャーニーワークショップを行った事例が紹介されており、BtoB・BtoC双方の事例があります。ワークショップを開催し、課題を発見して改善していった様子や、仮説と現実を答え合わせすることで得られた結果などが具体的に描かれているので、自社にもつながるヒントが得やすい本だと思います。

4. こんな方におすすめ

カスタマージャーニーマップの初心者の方や活用方法がわからない方

本書は、カスタマージャーニーマップが何かわからない方や初めて作る方におすすめです。導入部分から書かれているので、初心者の方にもわかりやすい内容になっています。
また、カスタマージャーニーマップを作ったことはあるけど、活用方法がわからないという方にもおすすめです。
カスタマージャーニーマップの作り方に終始せず、活用することで最終的には自社の視点で今の状況を見直せるように書かれており、顧客への対応のヒントが得られます。

今後ワークショップを開こうとしている方やファシリテーターを務める予定のある方

本書は、今後ワークショップを開こうとしている方やファシリテーターを務める予定のある方にもおすすめです。
本書自体、1,000社以上の企業にアプローチしてきた筆者とそのチームによるワークショップから生まれた本です。ファシリテーションのポイントやワークショップの進行方法などについても解説されており、ワークショップ開催に必要なノウハウが全て詰まっています。

また、ワークショップ開催時に台本として使うことも可能なうえに、ワークショップ内で使える接点カード・感情カード・ペルソナシートも付属されているので、この本1冊あればカスタマージャーニーマップワークショップの実施まで一通りできる内容になっています。

「新しい顧客体験」を生み出したいと考えている方

本書は、「新しい顧客体験」を生み出したいと考えている方にもおすすめです。
カスタマージャーニーマップは、顧客体験から逆算して課題を発見して、仮説を検証したり施策を立てていくのに役立ちます。
実際に、様々な分野で活用されており、業種に関係なく顧客視点を活かして製品やサービスに携わっていきたい方に必要なヒントが得られます。
企業だけでなく製品やサービスを提供する立場にある全ての人にとっても、新しい気づきを得られる1冊だと言えるでしょう。

5. まとめ

本書から学べること

いざカスタマージャーニーマップを作ろうと思っても、どのように書いたら良いかわからなかったり、ワークショップを開こうと思っても何をすれば良いかわからないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

本書はカスタマージャーニーマップの書き方やワークショップのノウハウがつまった、実践的な本です。
カスタマージャーニーマップの作り方を8つのステップに分けて解説していたり、ワークショップの心得などにも言及されていたりと、具体的に何をすればよいのかわかりやすくまとめられています。
また、巻末のツールは見本として度々本書の中で登場し、ダウンロードして実際に使うことで、カスタマージャーニーマップを作るハードルが下がったり、みんなでやろうという雰囲気にも持っていきやすくなるでしょう。

さらに、実際にカスタマージャーニーマップを使っている企業の事例も紹介されており、課題が整理されたり、業務改善に向けて動き出したりなどカスタマージャーニーマップが役に立っている様子がイメージしやすい本になっています。

【テンプレート付】カスタマージャーニーマップで現状分析!課題出しからあるべき姿の導き出し方まで解説

カスタマージャーニーマップの作成方法を基礎的な部分から実践方法までを解説しています。

また、DESIGN αでは現状課題を導き出す「AsIsカスタマージャーニーマップ」と、理想のUXを描き出す「ToBeカスタマージャーニーマップ」の2種類のテンプレートをご用意しています。ぜひダウンロードして課題抽出や改善アイデア出しにご利用ください。

今回ご紹介した書籍の基本情報

  • 書籍名:はじめてのカスタマージャーニーマップワークショップ 「顧客視点」で考えるビジネスの課題と可能性
  • 著者名: 加藤 希尊
  • 発行年月日:2018/9/25
  • 出版社:翔泳社
  • URL:https://amzn.asia/d/6tEPpyk

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