UI/UXリサーチ / 戦略設計
【おすすめ動画】ペルソナの基礎知識から実務レベルの実践法まで解説!
ペルソナは、ターゲットユーザーがどのような人物かを具体的に考える際に作成する『架空の人物像』です。ユーザーのニーズや行動を理解するための重要なフレームワークとして広く利用されています。
日本でもペルソナの重要性が認識されていますが、海外ではさらに進んだ研究や実践が行われており、さまざまな業界で活用されています。
今回は、海外のYouTubeチャンネルから、ペルソナについて解説している動画を2本ご紹介します。
これらの動画は、ペルソナの基本的な概念から、マーケティング施策での活用方法までをわかりやすく解説しています。ぜひご覧ください。
1. ペルソナ解説動画の概要
今回の記事でおすすめする動画は以下の2本です。
Vismeチャンネルの「How to Create A User Persona in 2024 [FULL GUIDE]」
-
タイトル:How to Create A User Persona in 2024 [FULL GUIDE]
「ユーザーペルソナを作成する方法(2024年版) [完全ガイド]」 -
チャンネル名:Visme(チャンネル登録者数22.4万人超)
Semrushチャンネルの「How To Create a Buyer Persona to Boost Your Marketing」
-
タイトル:How To Create a Buyer Persona to Boost Your Marketing
「マーケティングを強化するためのバイヤーペルソナを作成する方法」 -
チャンネル名:Semrush(チャンネル登録者数19.1万人超)
2. ペルソナ解説動画のおすすめポイント
それぞれのペルソナ解説動画について、おすすめポイントを紹介します。
「Visme」チャンネルのおすすめポイント
ポイント1:ペルソナがどのような場面で役立つかがわかる
「Visme」チャンネルの「How to Create A User Persona in 2024 [FULL GUIDE]」では、マーケティングでユーザーペルソナが役立つ場面が3つ紹介されています。
①ユーザーへの共感を築く場面
ユーザーの立場に立って考えることで、ニーズや価値観、問題点など何が重要なのか理解するのに役立ちます。
②マーケティングの方向性を検討する場面
検討しているソリューションが、ユーザーニーズに適しているかを検討できるため、効果的なマーケティングに役立ちます。
③異なる役割のメンバー間で共通認識を形成する場面
マーケティング担当者、デザイナー、開発の責任者などプロジェクトメンバー全員が同じ認識を持つことで、プロジェクトの方向性や目的を理解できます。
ポイント2:ペルソナに必要な構成要素がわかる
本動画では、オンライングラフィック作成ツール「Visme」のテンプレートを用いたペルソナ作成に必要な構成要素が述べられています。
①基本情報、ライフスタイル、ソーシャルメディア
基本情報(年齢、性別、居住地、名前)を書き出します。名前は架空のもので大丈夫です。さらに、仕事や婚姻状態、子供の有無なども必要な項目として言及されています。また、よく使用するソーシャルメディアや簡単な略歴を記述します。
②写真
次に、ペルソナに写真を追加します。見た目の年齢や服装を考慮して写真を選定することが大切です。例えば、スウェットパンツをマーケティングする場合、スーツを着た人の写真は望ましくありません。ペルソナに写真を追加することで、人間味がはっきりし共感を得られるようになると解説されています。
③性格、特性
最後に、性格や特性を書き出します。写真だけではその内面は理解できないため、ユーザーの性格や特性について詳しく説明してほしいと伝えています。また、プロジェクトの目的にあわせてさまざまな状況でその人物がどのような反応を見せるのかも記述します。
「Semrush」チャンネルのおすすめポイント
ポイント1:バイヤーペルソナの具体例がわかる
「Semrush」チャンネルの「How To Create a Buyer Persona to Boost Your Marketing」では、バイヤーペルソナ(顧客の購買行動に焦点を当て、主にマーケティング戦略や販売戦略の策定に用いられるペルソナ)を定義することで、マーケティング戦略の効果を劇的に向上させられると伝えています。
下記のようなバイヤーペルソナの具体例をあげて解説されているため、初めてペルソナを作成する方にも容易にイメージが湧く内容です。
バイヤーペルソナの一部引用
『「Jason」は27歳、ニューヨークでSEO代理店を経営しています。彼は主にファッション業界に関連する顧客と取引しており、グルメとワインの愛好家です。』
この「Jason」は、何千・何百万人のターゲット層の象徴です。このように理想の顧客像を細かく設定することで、このタイプのペルソナをどこでどのように見込み顧客にするか、適切な判断を下すのに役立つと解説されています。
ポイント2:マーケティング施策の最適化に役立つ
バイヤーペルソナを活用することで、プロジェクトのさまざまなプロセスで役に立つと解説されています。キーワード調査や広告コピーの開発、コンテンツ作成においてどのようにバイヤーペルソナを活用するかが具体的に示されており、マーケティング施策の最適化に役立つ内容となっています。
- 製品開発チーム:ユーザーのニーズに沿った製品ロードマップの作成
- マーケティング担当者:戦略や戦術の改善
- 営業チーム:顧客の悩みや課題の理解、セールストークのブラッシュアップ
- カスタマーサポートチーム:提供するサービスの強化
3. 2本の動画を比較してわかること
2本の動画の共通点から、内容を深掘りしていきます。
両方の動画で共通して伝えていたこと
【共通点1】ペルソナの作成に必要な構成要素
どちらの動画も、ペルソナの作成に必要な構成要素について言及していました。
「Visme」チャンネルでは、架空の氏名や写真、人口統計情報(性別・民族性・教育レベル・家族状況・職歴)を基本に、顧客のニーズや目標、行動や行動パターン、問題点、スキルなどがユーザーペルソナの構成要素に含まれると解説されています。
一方、「Semrush」チャンネルでは、人口統計情報などの基本事項のほかに、サイコグラフィックス(ライフスタイルや嗜好、行動、価値観、購買動機などの心理的属性の総称)を深掘りすることが、バイヤーペルソナの構成要素として重要であると伝えています。
これらの構成要素により、ターゲットとなるユーザーを具体的に把握しやすくなります。
【共通点2】ペルソナ作成の目的
どちらの動画も、ペルソナ作成によってどのようにマーケティング戦略に影響を与えるかという目的について解説していました。
「Visme」チャンネルでは、ユーザーペルソナを用いることによって、顧客のニーズを明確に理解し、ユーザーの立場で考えられるという利点を示しています。
また、コンテンツ作成やマーケティングキャンペーンの方向性を明確にし、顧客体験の向上や問題解決に役立つと述べられています。
一方、「Semrush」チャンネルでは、バイヤーペルソナを用いることで戦略をリードし、コンバージョン率(Webサイトにアクセスしたユーザーのうち、最終的な成果に至った人の割合)を上げるのに役立つと伝えています。
また、ペルソナの属性や行動、購買履歴に基づいて製品やサービスを最適化することで、パーソナライズされた顧客体験を提供できると説明しています。
ユーザーペルソナまたはバイヤーペルソナを作成することで、ユーザーのニーズを理解し、それに応じた製品やサービスの提供に繋がります。
【共通点3】ペルソナ作成のためのデータ収集
どちらの動画も、ペルソナを作成するためのデータの収集方法について解説されていました。
「Visme」チャンネルでは、以前に製品やサービスを購入したり興味を示したユーザーに対してインタビュー調査を実施しています。また、サービスのサインアップ時の情報から年齢や性別、行動パターンを把握できると説明しています。
一方、「Semrush」チャンネルでは、まずは既存の顧客に対して、Webサイトのフォーム入力やグループインタビュー、営業チームからのフィードバックなど、さまざまなソースからデータを収集する方法を推奨しています。さらに、収集した情報をGoogle Analyticsの解析情報やFacebookの視聴者データと組み合わせることで、ペルソナが実在する人物のように見えると解説しています。
ユーザーインタビュー調査やWebアンケート調査について知りたい方は、下記のページも合わせてご覧ください。
4. こんな方におすすめ
①マーケティング担当者
どちらの動画も、マーケティング担当者におすすめです。ペルソナを作成することで、マーケティング戦略にどのように影響を与えるかを理解できます。そして、ユーザーや顧客のニーズを把握し、課題を解決するのに役立ちます。また、戦略や戦術を改善することで、キーワード調査や広告のコピー開発などがスムーズになり、マーケティング活動全体の効果を高めることが期待できます。
②企業の経営者
どちらの動画も、企業の経営者におすすめです。顧客やユーザーを深く理解するための手助けとなり、企業全体の戦略をより良い方向に導くのに役立ちます。企業の経営者が、ペルソナを用いて戦略的なマーケティングと事業計画を立てることで、部署間の連携が強化されます。これは、全ての部署に同じ顧客像を共有することで、統一された方向性と目標に向かって効率的にリソースを投入できるようになるからです。
全社的な目標に対して一丸となって取り組むことで、より効果的な成果を得たい場合におすすめの内容となっています。
③製品開発者およびプロダクトマネージャー(PdM)
どちらの動画も、製品開発者やプロダクトマネージャー(PdM)におすすめです。ペルソナは、ユーザーのニーズや課題を深く理解し、最適な製品やサービスを提供したい方にとって不可欠なツールです。また、ペルソナを活用することは、ユーザー中心設計(UCD: User-Centered Design)やプロダクトマーケットフィット(PMF)の実現に向けた第一歩となります。
プロダクトマーケットフィット(PMF)について詳しく知りたい方は、下記のページも合わせてご覧ください。
5. 感想とレビュー
「Visme」チャンネルの動画の感想とレビュー
・ペルソナを単なる理想像と考えていましたが、ユーザー調査をした上で実際に存在するユーザー像を捉えることが重要だとわかりました
・ペルソナの作成方法が具体的で段階的に分かりやすく解説されており、マーケティングに活用できる内容となっています
・異なる役割のメンバーが共通認識を持ち、顧客のニーズを理解することが大切だとわかりました
「Semrush」チャンネルの動画の感想とレビュー
・バイヤーペルソナの作成が流れに沿って具体的に説明されており、わかりやすかったです
・情報収集やさまざまなデータの活用方法についても詳しく説明されており、マーケティング施策の参考になります
・「Market Explorer」などのツールを使用した、ペルソナと市場ニーズとの比較は興味深かったです
6. まとめ
2本の動画から学べること
以上のように、2本の動画はペルソナの定義や作成の手順、データ収集の方法が学べる内容になっています。
どちらの動画も、ペルソナの定義から作成方法までを詳しく説明しています。具体的には、「Visme」チャンネルでは、ユーザーペルソナの重要性、構成要素、作成方法について解説されています。
一方、「Semrush」チャンネルでは、バイヤーペルソナに絞って説明しており、バイヤーペルソナの利点や作成方法、市場調査ツールの活用方法について解説されています。
「Visme」チャンネル、「Semrush」チャンネル共に、ペルソナ以外のテーマでもUXデザインに役立つ動画がいくつか投稿されていますので、ぜひ合わせてご覧ください。
【関連記事】ペルソナについて解説した記事をご紹介!
当ブログでは、下記の記事でもペルソナについて解説しています。
今回ご紹介した動画と合わせてチェックして、ぜひあなたの事業でもペルソナ作成にチャレンジしてみてください。
今回ご紹介した動画について
おすすめUX動画1
-
タイトル:How to Create A User Persona in 2024 [FULL GUIDE]
「ユーザーペルソナを作成する方法(2024年版) [完全ガイド]」 -
チャンネル名:Visme(チャンネル登録者数22.4万人超)
おすすめUX動画2
-
タイトル:How To Create a Buyer Persona to Boost Your Marketing
「マーケティングを強化するためのバイヤーペルソナを作成する方法」 -
チャンネル名:Semrush(チャンネル登録者数19.1万人超)
【参考】YouTubeに日本語字幕をつけるには?
外国語のYouTube動画を見る際は、以下の方法で日本語字幕を付けることが可能です。
下部メニューの字幕ボタンで字幕をオンに
設定ボタンを押下
「字幕」メニューから「日本語」を選択
※日本語の選択肢がない場合は、「自動翻訳」の中から日本語を選択
UX調査をご検討中の方へ
「ユーザーの声や潜在ニーズが知りたい」「自社には調査部門がないから専門家に相談したい」「何社か調査会社を比較検討したい」というお客様のために、無料相談会やサービス案内資料をご用意しました。
調査に関する個別オンライン相談をご希望の方や、サービスラインナップや費用感が分かる資料のダウンロードをご希望の方は、こちらよりお気軽にお申し込みください。